【黒柳徹子の手紙全文】「じゃ、今度」「お友達でいて下さってありがとう」

[ 2017年6月17日 05:30 ]

野際陽子さん死去

60年来の友人の野際陽子さん(右)と黒柳徹子
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大好きだった、そして仲良しだった野際陽子さんへ

NHKに入ったのが、およそ60年前。あなたはアナウンサー、私は放送劇団。その頃からもう気が合っていて、一緒にフランス語を習ったり、同じお洋服屋さんで、お洋服を作ってもらったり。

私は、あなたの感覚が、好きだったし、何より正直だった清らかなあなたが好きでした。

長いことFAXでやりとりしましたね、流れるように美しい字のあなたのFAXは、カタカタと静かに送られてきました。大きくてガタガタの字の私のFAXは、あなたと対照的に、恐らく、ドタドタとお宅に到着したことでしょう。

いつになったら、あなたが「やすらぎの郷」に沢山(たくさん)出ていらっしゃるかと、楽しみにしていました。あなたが病気で、それどころではない、なんて知らなかったのよ。一緒に芝居をやりましょうとか、よく話しあいましたね。

野際さん、胸がいっぱいで、悲しく、なんと言ったらいいのか、わかりません。転勤で名古屋でのあなたの個人アパートに泥棒が入った話は、おかしくて「徹子の部屋」だけでも、4回は、して頂きましたね。いやがらずに、よく話して下さったわね。

この2、3日は、ずっとあなたのことを考えていました。どうしてでしょうね。

そういえば「死」ぬときのことなんかも、呑気(のんき)に話しあっていましたね。次に、あなたにお会いしたとき、どんなだったか話しあいましょうね。

野際さん、あなたのいらっしゃらない、この世界は、寂しいです。本当にお友達がいなくなったようです。

じゃ、今度お会いするまでね。お友達でいて下さってありがとう。

 黒柳徹子

 平成二十九年六月十五日

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