つか舞台「熱海殺人事件」に長女愛原実花が初出演、父のDNA再現

[ 2015年4月23日 05:30 ]

亡き父の作品「熱海殺人事件」に初出演する愛原実花

 劇作家の故つかこうへいさん(享年62)の名作「熱海殺人事件」に、長女で女優の愛原実花(29)が初出演することになった。12月9~26日、東京・紀伊国屋ホールで上演。演劇史に革命を起こした名作に息づく父のDNAを愛娘が再現する。

 シンプルなステージに渦巻く俳優と演出家の真剣勝負で観客を魅了するのが、つかワールド。華やかな世界を志し、宝塚歌劇団元娘役トップに上り詰めた愛原は「子供の時から別世界と思って見ていたので初めて踏み込む不安はある」としながらも「これが私の人生にとって大きな意味を持つことになると思ってます」と使命感と覚悟を語った。

 「熱海…」は、刑事と犯人が繰り広げる奇想天外な4人芝居。73年初演以来、巧妙に交差する人間ドラマが絶賛され、86年には映画化された。

 10年の宝塚退団公演中に父を亡くした愛原は、退団後つか作品への出演に二の足を踏んでいたが、11年夏に韓国ソウルで行われた同作品を見て「“熱海”がやりたい」と、所属事務所の堀義貴社長(48)に直訴。堀社長自らが音頭を取り実現した。

 堀社長はニッポン放送在籍時に仕事を通じつかさんと知己を得て、約20年にわたり薫陶を受けた。稽古中、頭に浮かんだセリフを俳優に口頭で伝える「口立て」と呼ばれる独特の手法も間近で見てきた。死の間際、最後の会話で「娘を頼む」と告げられた間柄だ。

 「めちゃくちゃな生きざまも含め、つかさんの凄さを目の当たりにした僕が、その神髄を再現したい。100年早いと言われるだろうが、彼女と僕ならつかさんも許してくれるんじゃないかな。天命と思ってやる」と決意を語った。

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