ドジャース・大谷 原点の逆方向に返り上った頂点 父の下で学んだ左中間への打球

[ 2024年4月23日 01:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース10-0メッツ ( 2024年4月21日    ロサンゼルス )

<ドジャース・メッツ>3回、日本人最多、MLB通算176号となる先制2ランを放つ大谷(撮影・光山 貴大)
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 【ヤナギタイムズ】日本ハム時代の13年12月からドジャースの大谷翔平投手(29)を本格取材し、TBS系情報番組「ひるおび」、「ゴゴスマ」などに随時出演する本紙MLB担当・柳原直之記者(38)の連載コラム「ヤナギタイムズ」。今回は大谷の打撃の原点に迫った。

 大谷は「僕自身はあまり本塁打を狙って打つ感覚は持っていない」と話してきた。打撃の基本スタイルは二塁打を狙うことで「しっかり二塁打を基準にして、その延長でホームランだったり、打ち損じがヒットだったりという考え方」としている。

 日本ハム時代も、飛距離は群を抜いていた。だが、日本での年間最多本塁打は16年の22本。転機はメジャー移籍後、投手としての登板前後の打者出場を解禁し自己最多の46本塁打をマークした21年ではないか。全打球の46・6%が右翼方向で46発中30本が右翼。「右方向は角度さえつけばある程度、当てただけでも(スタンドに)入るもの」と話したこともあった。

 ただ、外角球を強引に引っ張って凡退するリスクも高く、22年以降は広角に打ち分けるスタイルに回帰した。父・徹さんが監督を務めた少年野球時代の原点は、逆方向の左中間への強い打球。これがこの日超えた、松井氏との違いでもある。

 これで今季5号。得点圏での苦戦などもあるが、打撃は進化している。打率・368、35安打は両リーグトップ。7日からロバート・バンスコヨック打撃コーチが「Amazon」で購入したクリケット用のバットで打撃練習し、メジャー7年目で確率の部分では最高のスタートともいえる。本塁打量産態勢に入れば、日本選手初のトリプルスリーや、04年のイチロー(マリナーズ)以来の首位打者&最多安打の可能性もある。

 46本塁打した21年は4月終了までに8本塁打だった。休養日を挟み4月は残り8試合。両リーグ最多の11二塁打は、大谷の狙い通りなのかもしれない。

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