松井秀喜氏が大谷翔平に賛辞「私の数字と比べる必要は全くない」「いいプレーをただ応援したい」

[ 2024年4月23日 01:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース10-0メッツ ( 2024年4月21日    ロサンゼルス )

ニューヨーク郊外で行われた「ユニバーサル野球」のイベントに参加した松井秀喜氏(撮影・杉浦大介通信員)
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 ドジャース・大谷がメジャーで日本選手最多となる通算176号を放った。これまで記録を保持していた元ヤンキースの松井秀喜氏(49)は、改めて世界的なプレーヤーとなった大谷の存在の大きさを強調。またエンゼルスのコーチ時代に同氏と同じユニホームを着て、現在はド軍でGM特別補佐を務めるロン・レネキー氏(67)が本紙の独占取材に応じ、2人の違いなどを明かした。

 広い北米大陸の東と西。ニューヨークで松井氏が取材に応じていた時、ロサンゼルスの大谷はまだ176号を打っていなかった。「大谷選手が追い越そうとしているが?」。そんな質問に、メジャー10年間で通算175本塁打を放った松井氏はいつもと変わらず、静かな口調で話した。

 「あまり何も感じていないですかね。彼の存在の大きさ、選手としての素晴らしさを思えば、私の数字と比べる必要は全くないと思います」。巨人最終年の02年に50本塁打を放った松井氏でさえ、03年のヤンキース1年目は16本塁打に終わった。日本選手がことごとくはね返されてきたパワーの壁。それを大谷は破った。昨季は投手として10勝も挙げながら44本塁打で日本選手初の本塁打王。右肘の手術明けで今季は打者に専念しているが、その存在を誰よりも認めているからこその「比べる必要はない」との言葉だった。

 一方、常にチームの勝利を最優先する姿勢は同じかもしれない。「個人記録を意識するか?」と問われた松井氏は「正直、ないですね」と断言。「なぜなら試合中に自分の記録を考えながらプレーすることがないから。試合に臨む気持ちは人それぞれだけど私の場合はただ勝ちたい、自分がいいプレーをしてチームの勝利の力になりたい。ただそれだけだったので」と続けた。大谷もエンゼルス時代から優勝やプレーオフ進出を争う「ヒリヒリする9月」を渇望していた。全てはチームの勝利のため。この姿勢が、多くのファンの支持を集めている。

 松井氏は東の名門球団で長くプレーし、大谷は西の名門球団に籍を置く。大谷は現在29歳。自身が海を渡った時の年齢の28歳とほぼ変わらない。今後、どこまで数字を伸ばすのか。「ファンの皆さんがそれぞれ予想して楽しめばいい。私は彼のいいプレーをただ応援したい、と思うだけ」。さらなる活躍を確信しているような口ぶりだった。(杉浦 大介通信員)

 ≪日米の伝統球団でのプレー経験「誇りに」≫松井氏はこの日、米野球殿堂博物館が企画展「野球とベースボール、太平洋を越えた日米の野球交流」を来年7月から開催することを受け、ヤンキースタジアムで会見。「両国でできたこと、歴史ある巨人、ヤンキースでできたことを誇りに思う」と感慨深そうに話した。会見後はニューヨーク市内で障がいや年齢にかかわらず楽しめる「ユニバーサル野球」に参加。ボードゲームの野球盤を5メートル四方に大型化したもので「こういう野球もあるんだと、これから広めていってほしい」と話した。

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