上位打線と対照的に、苦しむドジャースの下位打線、ベテランのクリス・テーラーは打率・029

[ 2024年4月18日 13:44 ]

<ドジャース・ナショナルズ>試合に敗れガックリの大谷(中央)(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 ドジャースの下位打線が苦しんでいる。17日(日本時間18日)のナショナルズ戦も「7番・中堅」スタメンのジェームズ・アウトマンが二塁打を一本打っただけ、7番から9番はトータルで9打数1安打だった。

 今季この打順が多い打者の打率はアウトマンが・193、エンリケ・ヘルナンデスが・195、ギャビン・ラックスが・148、クリス・テーラーが・029だ。この4選手らが打撃に苦しんでいるため、今季絶好調の1番ムーキー・ベッツが二巡目以降打席に立った時に、ランナーが塁上にいないことが多い。デーブ・ロバーツ監督は下位打線について「かなり過去の実績を下回っているが、まだ試合数も少ないから」と今後に期待している。

 特に打撃に苦しんでいるのはテーラーだ。ユーティリティー選手として長年ドジャースで活躍してきて、WAR(打撃、走塁、守備を総合的に評価して代替可能選手(Replacement)に比べてどれだけ勝利数を上積みしたかを統計的に推計した指標)では17年は4・4、18年は4・3と素晴らしかったが、ここ数年は数字が下降しており、30代であることを考えると、多くを望めないのかもしれない。今季ブレーキングボールの空振り率は70%、チェンジアップなどオフスピードの空振り率は61・5%、ゆえに三振率は42・9%である。ヘルナンデスも21年のWARは5・0だったが、22年からは調子が上がらず、WARも著しく下がって1点以下。今年はここまでマイナスだ。

 アウトマンは新人だった昨季はバレル率が11・1%と高く23本のホームランを打ったが、三振も多かった。今季はここまで打率、出塁率、長打率すべて下落。特に左投手を打てていない。プラトゥーンパートナーが必要なようだ。ラックスも守備の不振からキャンプ中に遊撃手から二塁手へとポジション変更を命じられたが、打つ方もひどい。長打は二塁打一本だけで長打率・167。平均打球速度は85・2マイルと遅く、そのくせボール球を追いかける。23年、膝の前十字靭帯断裂で全試合欠場、その影響があるのだろうが、それにしてもひどすぎる。

 ドジャースはベッツ、大谷、フリーマンで始まる上位打線はリーグ屈指だが、現状は下位打線は課題。新人のアンディ・パヘスに期待がかかるが、この日はパヘスも3打数0安打2三振だった。

(奥田秀樹通信員)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年4月18日のニュース