神村学園・正林 アクーニャ憧れる大砲が選抜大会戦後800号「芯で捉えれば飛距離は問題ない」

[ 2024年3月23日 04:45 ]

第96回選抜高校野球大会第5日・1回戦   神村学園6ー3作新学院 ( 2024年3月22日    甲子園 )

<神村学園・作新学院>3回、ソロを放つ神村学園・正林(手前は作新学院・小川哲)(撮影・大城 有生希)
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 昨夏4強入りした神村学園(鹿児島)が作新学院(栃木)を6―3で下し、2回戦へ進出した。1―0の3回に4番・正林輝大(こうだい)外野手(3年)が右翼ポール際にソロアーチ。選抜戦後800号のメモリアル弾など、2安打2打点1盗塁の活躍で勝利に貢献した。なお、鹿児島県勢の春夏通算100勝目となった。

  パワーアップした姿を見せつけた。神村学園・正林の打棒がさく裂したのは1―0の3回。「江川2世」と評される作新学院・小川哲のカットボールを右翼ポール際に運んだ。低反発の新基準バットをものともしない一発に「芯で捉えられれば飛距離は問題ない」と胸を張った。

 この日を待ち望んでいた。好きな選手に昨季メジャーで41発&73盗塁したブレーブスのアクーニャを挙げる背番号9は、昨夏に甲子園出場を決めると家族に「ホームラン打つから見とって!」と宣言した。4番で全5試合で安打を放ち、23打数10安打5打点、打率・435で4強入りに大きく貢献。ただ、一発は出なかった。「今回は絶対打つから」とスタンドで応援した家族との約束を果たした。

 新バット対策の成果が出た。飛ばすことに固執せず「上からバットを出していく」ことを強く意識。ウエートトレーニングにも力を入れ、体重は10キロ増の84キロ。冬休みは保護者の炊き出しにパワーをもらい「全部おいしいけど、豚汁がおいしかった」。サポートにも恩返しができた。

 昨夏の甲子園4強メンバーが10人残る中、小川哲対策として「真っすぐをできるだけ空振りしない」をチームで徹底。昨秋の公式戦59イニングで45三振を奪われた右腕から喫した三振は3だった。打撃マシンの球速を150キロ超に設定して練習を重ねた正林は「スピードはそこまで感じなかったです」と話した。

 昨秋の関東王者を下し、25日の2回戦は大阪桐蔭と対戦する。正林は6回には50メートル6秒0の俊足で盗塁、8回にはリードを広げる適時打も放った。「目標は日本一」と正林。昨夏のような進撃へ“神村のアクーニャ”の活躍は欠かせない。 (杉浦 友樹)

 ◇正林 輝大(しょうばやし・こうだい)2006年(平18)6月15日生まれ、佐賀県出身の17歳。小1年時に諸富南少年で野球を始める。中学は諸富中の軟式野球部に所属。神村学園では1年秋からベンチ入り。兄・大樹さんは10年夏に長崎日大の背番号17でベンチ入り。1メートル78、84キロ。右投げ左打ち。

 ▽ロナルド・アクーニャ 1997年12月18日生まれ、ベネズエラ出身の26歳。14年にブレーブスと契約し、18年メジャーデビュー。史上10人目の新人25本塁打&15盗塁(26本塁打、16盗塁)をマークし、ポストシーズンではミッキー・マントルの21歳を65年ぶりに破る20歳での最年少満塁弾。昨年は史上初の「40―70(41本塁打、73盗塁)」を達成し満票でナ・リーグMVP。18年新人王、23年MVPはいずれもエンゼルス・大谷(現ドジャース)と同時受賞だった。メジャー6年で通算161本塁打、180盗塁、打率・292。

 ◯…神村学園の勝利で鹿児島県勢は春夏通算100勝目(27都道府県目)となった。春は単独30位の29勝、夏は20位タイの71勝。学校別内訳では鹿児島実の33勝(28敗)が最多で、次いで樟南の28勝(27敗)、神村学園は15勝(11敗)で鹿児島商(25敗1分)と並ぶ3位となった。

 ◯…4番の正林が3回にソロ。選抜の戦後800号となった。選抜では戦前が39本塁打で、大会通算では839号。大会800号は21年に東海大菅生(東京)の千田が1回戦の聖カタリナ(愛媛)戦で放っている。ちなみに夏は戦前96本塁打、戦後1687本塁打で計1783本塁打。

 

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