川上憲伸氏 忘れられない杉下茂さんとの思い出「1球もキャッチボールしてないのに無回転のフォークで」

[ 2023年6月16日 18:30 ]

2012年2月の中日北谷キャンプで、杉下茂氏(右)が見守る中、投球練習をする川上憲伸投手
Photo By スポニチ

 元中日エースでメジャーリーグでも活躍した川上憲伸氏(47)が16日、CBCラジオの中日―日本ハム戦の中継に解説として出演。中日の初優勝と日本一に貢献した「フォークボールの神様」杉下茂さんを悼んだ。

 中日、明大の大先輩の訃報に「プロ野球に入ってからというよりその前から面識もありましたから、思い出は多いんですけど…ショックですよね」と胸中を明かした川上氏。「キャンプ中、ブルペンの後ろに常に立ってくれていてピッチングの様子を見てくれた」と現役時代を振り返り、「1回キャッチボールの時に暴投して、その後ろに杉下さんがたまたまいらっしゃって。その落ちたボールを20メートル先から僕の方に、(杉下さんは)1球もキャッチボールしてないのにそのまま、何と無回転のフォークボールで投げて返してくれた時にはもうびっくりしましたね」と語った。

 「忘れもしない、2012年のキャンプですね」と臨時コーチの杉下さんから指導を受けた思い出を回顧。「神様だったですね」としみじみと悼んだ。

 杉下さんは12日午後10時18分、都内の病院で間質性肺炎のため死去。中日が16日に発表した。97歳だった。通夜、葬儀は家族のみで営まれた。家族によると、亡くなる当日の午前までは普段通りの生活をしていたが、午後になって体調に異常を訴え、病院に搬送されていた。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月16日のニュース