【落合×東尾対談】「頭部死球→ピッチャー返し」の伝説 因縁の2人が40年以上も誤解していた事実

[ 2023年6月16日 17:00 ]

「落合博満のオレ流チャンネル」に出演した東尾修氏(右)と握手を交わす落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が16日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。「博満の部屋」の第2回目として、プロ野球歴代10位の通算251勝を挙げた東尾修氏(73)をゲストに招いて対談を行った。

 視聴者からの質問として、「昔、1打席目に頭部への死球を受けた後、落合さんがピッチャーライナーを打ったって本当?」との質問が寄せられた。編集された映像や、さまざまなメディアで、この伝説については取り上げられてきた。これには、落合氏は「これね、頭にぶつかって救急車で運ばれてるんですよ。だから、次の打席っていうのはありえないの。これは嘘」と即答。東尾氏は「私は今日の今日まで、本当と思ってたの。これをこういうふう(ストーリー仕立て)に作ったの、どこかっつってんだよ本当に。初めてよ、今日こんな(事実が)分かったの」と話した。

 「まともに話するの初めて」(東尾氏)という2人。この伝説を2人も事実として刷り込まれていた部分もあった。テロップでは「1990年代放送のドキュメンタリー番組で順序を逆に編集したものを放送したようです」と補足があった。

 事実としては、1982年6月21日の西武―ロッテ戦(平和台)、8回に落合氏のピッチャー返しが東尾氏の肩に直撃。7月7日の西武―ロッテ戦(平和台)の5回、東尾氏の投球が落合氏の頭部への死球となり、落合氏は救急車で運ばれた。落合氏が「ピッチャーライナー打ったの、(頭部への死球の)前らしいね」と話すと、2人は前後関係すらもあやふやだったようで、「それも全然知らなかった」(東尾氏)「俺も知らないんだわ」(落合氏)という反応だった。東尾氏は「てっきり俺がぶつけて、その後、仕返しされたと思ってたもん」と話した。

 落合氏は「打ち返したつもりないんだよ」と話せば、東尾氏も「別に、故意で当てるとか投げるとかないやない」と語り、東尾氏は「よーく皆さん聞いとってください、本当に。真実を報道してください」と声を大きくした。

 2人の対戦成績は120打席あり、110打数26安打、打率.236で5本塁打、20打点。6四球、6三振で、死球はわずかに頭部死球の1つだった。「東尾さんからぶつけられたの、これ1回だけなんだ」と落合氏。東尾氏は「死球のことがあったから、ものすごい嫌がってたの、俺が。現役の時、現役終わった後も。やっと今日スッキリして帰れる。仕返しをされたとばっかりと思ってたから。今日でものすごいイメージが変わった」と心のモヤが晴れた様子だった。

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