広島・床田 北別府さん追悼試合で魂の今季初完封 天国へ届けた115球力投 防御率リーグトップに浮上

[ 2023年6月16日 20:42 ]

交流戦   広島2-0西武 ( 2023年6月16日    マツダ )

<広・西>北別府学氏の逝去を受け、喪章をつけ、先発する床田(撮影・平嶋 理子)
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 広島の床田寛樹投手(28)が、16日の西武戦で今季初の完封劇を達成した。天国の北別府さんへ届けた見事な快投だった。

 抜群の制球力で広島の黄金時代を支え、通算213勝を挙げた野球評論家の北別府学(きたべっぷ・まなぶ)さんが16日、65歳の若さでこの世を去った。沢村賞を2度獲得し、2012年には競技者表彰で野球殿堂入り。20年に自身のブログで成人T細胞白血病(ATL)を患っていることを公表して以降、懸命の闘病生活を送ってきたが、ついに力尽きた。

 16日に本拠地で西武戦を迎えた広島は、半旗を掲げて試合を行い、新井監督以下チームは喪章を着用して臨んだ。そして先発の床田は、いつも以上に魂のこもった投球を披露。西武の2年目左腕・隅田との投げ合いで力投を続けた。

 打線は5回に末包が今季1号ソロを放つと、続く堂林も今季3号ソロで追撃。援護を受けた床田も好投で応えた。6回の1死一、二塁でマキノンを併殺打に打ち取ると、8回まで5安打無失点。結局、9回もマウンドに上がり、115球で西武打線を完封した。

 床田はこの日で規定投球回にも到達。防御率は1・69で、阪神・村上(1・75)、広島・九里(1・78)をかわして、一気にリーグトップで再登場した。

 試合前に新井監督は、北別府さんについて「偉大な先輩ですし、先輩を偲びながらプレーしたいなと。天国で北別府さんが見守ってくれていると思いながら、きょうから選手たちとプレーしていきたいなと思います」と語っていた。球団の後輩投手が、見事に投球で追悼した。

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