大谷 家族の前で“最高”の逆方向弾!地上114センチ高め悪球打ち トラウタニ弾不敗神話も継続

[ 2023年5月26日 02:40 ]

ア・リーグ   エンゼルス7―3レッドソックス ( 2023年5月24日    アナハイム )

<エンゼルス・レッドソックス>ベンチで笑顔を見せる大谷(撮影・会津 智海)
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 “最高”の逆方向弾だ。エンゼルス・大谷翔平投手(28)は24日(日本時間25日)、レッドソックス戦に「3番・DH」で出場。3回に真ん中高めのボール球を左中間へ運ぶ12号ソロを放った。本塁打では自身メジャー2番目に高い地上3・74フィート(約114センチ)のボールで、逆方向では最も高い地点でのインパクト。同じく12号を放ったマイク・トラウト外野手(31)とは今季4度目のアベック弾で4戦4勝となり、チームも4連勝で今季最多の貯金5とした。

 和やかだった。肌寒かったエンゼルスタジアムの試合前のクラブハウス。球場入りした大谷は、グラウンドに出ようとしたフィル・ネビン監督と出くわした。「ショウヘイ、オハヨウ」。日本語でのあいさつに立ち止まって「おはようございます」と丁寧に頭を下げた。米国では新鮮に映る日本人の礼儀作法だった。

 ちょうどお辞儀した、大谷の額の先ほどの高さだった。3回1死走者なし。左腕パクストンの84マイル(約135キロ)のカットボールはストライクゾーンよりボール2つ分ほど高いボール球だった。体は逃がさず、バットを巻き付けるように押し返した打球が、左中間フェンスを越えた。インパクトは地上3・74フィート(約114センチ)。21年の5月17日のインディアンス戦で、地上約128センチを右翼席に運んだのに次ぐ自身メジャー2番目のハイボール弾。大リーグ公式サイトのサラ・ラングス記者はツイッターで「大谷の本塁打で2番目に高い球だったが、逆方向では一番高い」と伝えた。

 本来、ローボールヒッターだが高め攻略は好調の証だ。高めボール球の本塁打は今季初で46本塁打した21年の2本以来2年ぶり。10号以降の3本塁打は、高めを攻略している。5月は最初の11試合で1本塁打が、15日のオリオールズ戦から10試合で4発。前日の屋外打撃練習の効果も挙げた指揮官は「今、南カリフォルニアは寒い。この空気の状態でボールは飛ばない。なのにあれは凄いパワーだ」と絶賛した。

 恒例のベンチでの兜(かぶと)パフォーマンスの最後は、サンドバルに兜を渡し「ハイ、チーズ!」とカメラマンのように構えるパフォーマンス。この日は父・徹さん、母・加代子さんが観戦し、家族に贈る一発にもなった。

 4回にはトラウトが大谷と並びリーグ5位タイの12号2ラン。通算26度目の「トラウタニ弾」は今季負けなしの4戦全勝で、トラウトは「いいことが起こるように俺たちで2発だ」と胸を張った。レ軍戦では、4連勝した15年7月以来8年ぶりの3連勝スイープ。チームのムードも最高潮。帰路に就く大谷のハイトーンの笑い声が、クラブハウスに響き渡った。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪年間38発ペース≫大谷が12号。メジャー通算139本塁打とし、140号へあと1本に迫った。今季の本塁打はコース別では9本目までがストライクゾーンの中程から低めだったが、直近3本はいずれも高めのボール。ストライクゾーン上部のボール球の本塁打は通算4本目だった。逆方向への一発は、4月9日のブルージェイズ戦で菊池から放った左中間3号2ラン以来。また、チームは今季51試合目で、年間では昨年の37本塁打を上回る38本塁打ペースとなった。

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