元全体1位指名同士、「まだ表面をひっかいただけ」とモニアクを励ますネビン監督、大器晩成型となるのか

[ 2023年5月26日 10:40 ]

モニアクに“ミッキーポーズ”を決める大谷
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 エンゼルスのマッケンジー・モニアク外野手(25)は5月、10試合に出場、打率・419、4本塁打、7打点と大暴れ。AP通信が25日(日本時間26日)、このモニアクについて報じている。

 ここまでの道のりは平たんなものではなく、ドラフト指名からほぼ7年が経ち、ようやくつかんだ成功がつかの間のものではないよう、本人は願っている。「特別だよ。ここでやれるとずっと信じていたけど、わからないからね。今は喜んでいるし楽しい」と話す。

 2016年のドラフトでフィリーズから全体1位指名された。しかしながら期待に応えられなかった。メジャーでは35試合に出ただけで、ほとんどがマイナー暮らしだった。通算成績は打率・129、1本塁打、5打点、10四球、41三振だった。昨夏ノア・シンダーガードとのトレードでエンゼルスに移籍。5試合で2本塁打、14打数4安打と活躍したが、バントした際に指を骨折。9月に戦線復帰したものの打率・174だった。

 今季春のオープン戦では打率4割をマークしたが、開幕時は3Aに送られている。エ軍のフィル・ネビン監督も、1992年にアストロズから全体1位でドラフト指名された選手。モニアク同様、メジャーで成功するまでに時間がかかり、4球団を転々とした。あのデレク・ジーター(一巡6番目)より先に指名された選手と言われ続け、全体1位のプレッシャーは知っている。

 「マイナーの試合で遠征に行ったり、春のキャンプに行くと、より注目されたりはした。ただし当時はそんなにプレッシャーが大きかったわけではない。ヒューストンでデビューした時(95年6月)くらいかな。でも今は違う。ソーシャルメディアなどで、元全体1位だと騒がれるし、いつでも話題にされているのが耳に入ってくる。指名されてから6年、7年たっても変わらない」とモニアクに同情する。

 モニアクはサンディエゴ郊外で育ったから、サンディエゴに住んでいたネビン監督の息子と高校時代に対戦したこともあった。その上、プロに入ってからも息子たちと一緒にトレーニングをしていた。そのため、ネビン監督は以前からよく知っていたという。

 「彼の才能には印象付けられていた。選手の中には肉体的にも精神的にも成長するのに時間がかかるタイプがいるということだ」と言う。昇格し5月13日のガーディアンズ戦で先頭打者本塁打など4打数3安打するなど、大活躍している。

 本人は打撃好調の理由について「メカニックをいくつか変えて、ボールがよく見えるようになった。加えて打つ球を絞っていかないといけない。ひどいボールに手を出したら、焦るし、力が入りすぎてしまう。このチームではトラウトさんや大谷さんの前で出塁するのが自分の役割だと心得ている」と説明する。データで見ると、打率・229と苦手だった変化球をうまく打っている。対チェンジアップは10打数4安打だ。弱点は三振の多さ。三振率34・4%はメジャー平均の22・7%より10ポイント以上も高い。ネビン監督はそんなモニアクを見守っていく考えだ。「これからもっともっと成長していく選手。今見ているのは、まだ表面をひっかいただけだと思う」と話している。

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