エンゼルス・大谷が本塁打、三塁打含む4安打4打点も…歴史的「なおエ」

[ 2022年8月19日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス7ー11マリナーズ ( 2022年8月17日    アナハイム )

<エンゼルス・マリナーズ>ファールボールがベンチに飛び込み、驚いた表情を見せる大谷(撮影・大森 寛明)
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 歴史的な「なおエ」だ。エンゼルスの大谷翔平投手(28)は17日(日本時間18日)、マリナーズ戦に「2番・DH」で出場し、4試合ぶりのアーチとなる27号2ラン、2試合連続の三塁打を含む4安打4打点。しかし、投手陣が11失点して3連敗を喫した。メジャーで本塁打、三塁打を含む4安打4打点以上を記録した選手のチームは26連勝中だったが、プレーオフ進出を狙うマ軍に力負け。大谷の孤軍奮闘は続く。

 試合後、クラブハウスの椅子に座り込んだ大谷は怒りに満ちた形相で近寄りがたいオーラをまとっていた。「ショーは本当によくやってくれた」。フィル・ネビン監督代行は記者会見でねぎらった。

 気温が33度まで上がったデーゲーム。5―11の9回1死二塁、救援右腕フェスタのスライダーを捉えた打球が左中間フェンスを越えた。4点差に迫る27号2ランにも、大谷に笑顔はなかった。

 直近5試合で19打数10安打(打率・526)、2本塁打、6打点。夏本番の南カリフォルニアの気候同様に大谷の打撃はホットだ。初回は先発右腕カービーのチェンジアップを右前打。5試合連続安打とすると、5回2死一、二塁ではカーブを中前適時打とした。7回には無死一塁から右翼線へ、日米通じて自身初の2戦連続三塁打で走者を還した。3年ぶりの4安打に、今季3度目の4打点。指揮官は「素晴らしい。スイングも最高だ。相手の守備位置を把握し得点圏では自分が何をしなければいけないかを分かっている」と賛辞を惜しまなかった。

 だが、3投手が4被弾を含む10被安打で11失点。本塁打と三塁打を含む4安打4打点以上を挙げた選手のチームの敗戦は12年5月11日のカージナルス(打者はカルロス・ベルトラン)以来10年ぶりだ。以降、同様の数字をマークした選手のチームは26連勝。大谷が8打点を挙げて敗れた6月21日のロイヤルズ戦、大谷の2発を含むソロ7本塁打が空砲となった今月4日のアスレチックス戦に続く、記録的な「なおエ」の敗戦劇だった。

 笑顔なき大谷にとっての朗報は、トラウトの復帰だ。左胸郭の炎症で7月18日から負傷者リスト入りしている主砲は、試合前に「痛みはない。全てがいい方向に向かっている。明日の状態に問題がなければ」と、19日(日本時間20日)のタイガース戦からの出場を示唆。「うちにはいいDH(大谷)がいるから」と中堅の守備に就く意向も明らかにした。「トラウタニ」コンビの復活で、悲劇のさらなる再現を避けたい。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪大谷 メジャー通算4度目4安打≫大谷の1試合4安打は、サイクル安打を放った19年6月13日のレイズ戦以来でメジャー通算4度目。2試合連続の3安打以上は昨年4月12、13日のロイヤルズ戦以来となった。また、三塁打は通算20本目となり、通算23勝と合わせた勝利数&三塁打の「20」到達は、1920年以降の大リーグではジョニー・クーニー(元ブレーブス=通算34勝&26三塁打)以来2人目となった。

 カージナルスは12年5月11日のブレーブス戦で4番のベルトランが2本のソロ本塁打と二塁打、2点三塁打で4安打4打点。「サイクル超え」の活躍を見せたが、チームは延長12回の末に7―9で敗れた。

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2022年8月19日のニュース