矢野阪神 4連敗で再び借金生活…それでも首位と8.5差 「俺たちの野球」が試されている

[ 2022年8月13日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0―4中日 ( 2022年8月12日    京セラD )

<神・中>9回2死三塁、佐藤輝(手前)が左飛に倒れて零封負けを喫し、ベンチで渋い表情の矢野監督(右)ら(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は12日の中日戦で今季20度目の零敗を喫し、4連敗で7月23日以来20日ぶりの借金1となった。初回に2失策が絡んで2失点。リーグ単独ワーストの67失策となった拙守に加え、攻撃でも3併殺と踏んだり蹴ったり。複数の主力が新型コロナウイルスに感染した影響が甚大で奇跡の逆転優勝を狙う矢野燿大監督(53)にとっては、最大の正念場となった。

 前向きな言葉を発しようとしても、言いようがなかった。拙守、拙攻の連続で今季20度目の零敗。主軸を欠く打線は34イニング連続適時打なしとなり、矢野監督は口数少なく敗戦を振り返った。

 「苦しい状況はみんな分かっている。何て言うのか…。何もできなかった。そういう感じです」

 初回2死から先発の西勇が3連打を浴び、佐藤輝、糸原の失策も絡んで2失点。7戦連続失策でリーグ単独ワーストの67失策となった。さらに糸原が犯した適時失策も、チーム今季12個目でリーグ最多。今季チーム別打率・217とリーグでもっとも苦戦している相手に加え、エースの大野雄が先発した試合では、重すぎるビハインドだった。

 新型コロナウイルス陽性で離脱した中野、近本、大山を欠く打線も、やはり機能しない。指揮官は前日11日まで5番だった糸原を2番に上げ、試合前時点で通算打率・300で今季は・667と大野雄と好相性だった陽川を昨年4月23日DeNA戦以来の5番に抜てき。ただ、その陽川も7回1死一、二塁で遊ゴロに倒れるなど3打数無安打で期待に応えてくれなかった。

 3番のロドリゲスが無安打2併殺、4番の佐藤輝も音なしに終わり、9日DeNA戦の3回から続く「適時打欠乏症」は治る気配がない。曜日別最高の勝率・722、5連勝中だった「花金」で完敗し、どこまでも逆風が吹く。選手に焦りなどが見られるのか?と問われた矢野監督も「それは分からん」と言うしかなかった。

 今こそ踏ん張りどころだ。主力らの不在は痛手だが、どの球団にも起こり得ることで言い訳にはできない。指揮官が掲げてきた、チーム全員で戦う「俺たちの野球」が試されている。不幸中の幸いで、ヤクルトも7連敗の泥沼に入っており、7日からゲーム差は8・5のまま。何より、今年の猛虎は開幕9連敗、借金最多16の逆境を乗り越えた実績がある。

 4連敗で20日ぶりの借金生活に逆戻り。残り36試合となり、一戦一戦の重みはどんどん増してくる。4カードぶりに地元開催となったこの夜は3万2662人が京セラドームに集結。奇跡のドラマを信じてくれるファンのためにも、下を向くことだけは許されない。(山添 晴治)

 《適時失策リーグ最多12》阪神は初回の佐藤輝と糸原の2失策でシーズン67失策。65失策の巨人を抜いてリーグ単独最多になった。12度目の適時失策もリーグ最多で、2位広島の9度を3つ上回る。8月5日の広島戦から7試合連続失策は今季最長で、昨季4月28日から5月9日にかけての9試合以来。またシーズン20度の零敗は13年の21度以来。チーム最多は63年の24度。

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