広島・西川 先制V弾で首位ヤクルトに3連勝 上位に「何とか食い込んでいきたい」

[ 2022年8月12日 04:45 ]

セ・リーグ   広島6―3ヤクルト ( 2022年8月11日    マツダ )

<広・ヤ>4回、3ランを放つ西川(撮影・岡田 丈靖)             
Photo By スポニチ

 広島・西川龍馬外野手(27)が11日のヤクルト戦で決勝の先制7号3ランを決めた。マクブルームの代役として務める4番として3試合連続打点で貢献。野村祐輔投手(33)は5回1失点の力投で2勝目だ。首位のヤクルトに本拠地では17年以来の同一カード3連勝を挙げ、借金3まで挽回した。

 これまでの西川は、反射神経を頼りに打席に立っていた。「“3秒後には結果出てるやん”と思いながら、コース全体をぼんやりと見て、自然に来た球を振っていた」。その考え方を今季から一新した。「過去のデータもある。攻め方とか配球を考えて打席に入るようになった」。感覚を頼りに天才と呼ばれた過去を経て、狙い球を絞る新たな引き出しが今季の西川にはある。

 4回1死一、三塁で3ボール。球種、コースを張るには、これ以上ないカウントだった。狙いは一つ。「真ん中の真っすぐ一本」。思い描いていた通りのサイスニードの失投を豪快に振り抜き、右翼席に先制3ランを放り込んだ。通算52本塁打目で初となる3ボールからの一発となった。

 「正直、欲は捨てた。安打というより、犠飛でもいいと思った」

 狙い球を絞るようになると、これまでにはない感覚に悩んだ。「頭の中で思い描いている球が来なかったら手が出ない」。開幕直後は厳しいコースを狙いながら、ふと失投が真ん中付近に入ってくると反応できなかった。今回の決勝弾は「ギリギリまで打つか迷ったけど、こんなチャンスもなかなかない」と割り切って振り抜いた。

 天才的な感性も健在のままだ。6回1死ではカウント1―2からの地面間際のスプリットに反応してしまう。棒立ちのように体を動かさず、バットはゴルフスイングみたくポンと振り下ろすと、打球が右前で弾んだ。持ち前の悪球打ち。「タイミング的にさされて(バットが)勝手に出た」と苦笑いするしかなかった。

 マクブルームが体調不良から復帰して3試合ぶりにベンチ入りした。12日の巨人戦から先発に復帰する見込みで、西川の4番は今回の3連戦で一区切りとみられる。「まだ、そこまで上位との差は離れていない。何とか食い込んでいきたい」。4番の重責にも力まず自然体で計5安打5打点。代役を務めた3試合に西川の凄みが詰まっていた。(河合 洋介)

 《5年ぶりマツダで快記録》広島のヤクルト3連戦全勝は20年10月2~4日の神宮以来2年ぶり。主催試合では18年4月17~19日以来4年ぶりで、初戦が呉での開催だった。マツダの3連戦では17年4月7~9日以来5年ぶり。

続きを表示

2022年8月12日のニュース