高松商の1メートル71怪童・浅野が清原超え!65&66号連発 ヤクルトスカウト絶賛「1位でないと」

[ 2022年8月12日 04:08 ]

第104回全国高校野球選手権第6日・2回戦   高松商 14―4佐久長聖 ( 2022年8月11日    甲子園 )

<佐久長聖・高松商>7回、2打席連続の本塁打を放った高松商・浅野(撮影・岸 良祐)
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 衝撃の2発だ!今秋ドラフトの1位候補である高松商(香川)の浅野翔吾外野手(3年)が初戦の佐久長聖(長野)戦で2打席連続弾を放つなど3安打4打点で大勝に貢献。5回は逆方向の右中間に運び、7回は弾丸ライナーで左翼席に突き刺した。これで高校通算本塁打で並んでいた清原和博(PL学園)を抜き66本塁打。大会記録である6本塁打の更新にも期待がかかる。

 甲子園は、清原のためにあるのか――。85年夏にそんな名実況までもが生まれた甲子園の申し子を、軽々と超えていった。浅野が右へ、左へ、高校通算65、66号を2打席連発。64本で並んでいた清原和博の通算本塁打数を抜いた。

 「(本塁打は)ヒットを狙った延長線の結果。活躍していた選手の記録を抜けてうれしい気持ちはあります」

 今大会最多の2万7000人を魅了した。身長1メートル71ながら筋骨隆々の浅野には逆風だった浜風も関係ない。5回2死。6球目の真ん中直球をこすり気味に捉えた打球が約6秒の長い滞空時間で右中間フェンスを越えた。7回無死一塁では5球目の高めスライダーを弾丸ライナーで左翼席へ。「(1本目は)ライトフライかと思ったけど2本目は完璧でした」という自画自賛の66号で大田泰示(東海大相模=現DeNA)、安田尚憲(履正社=現ロッテ)も一気に抜き去った。

 「少しでも足が速くなるように」と物心ついた頃から父・幹司さん(53)に教え込まれた「爪先歩き」がスラッガーの土台を築いた。歩きにくく下半身の負担は増すが、普段の生活からどんな場面でも実践し、現在も変わらない。100キロ以上を軽々と上げるベンチプレスなどで上半身もユニホームがはち切れんばかりだが、強靱(きょうじん)な下半身はトレーニングだけでなく、幼少期から積み重ねてきた日常がもたらしたものだ。

 昨年12月に日米通算4367安打を誇るイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)に指導を受けてから初の聖地での1勝。「全力の中で形をつくるというのを教えてもらった」と効果を実感する。視察したヤクルトの橿渕聡スカウトグループデスクは「ドラフト1位でないと獲得できない選手」と断言。身長についても「メジャーでもアルテューベ(1メートル68=アストロズ)が活躍している。気にする必要はない」と語った。

 連発で迎えた8回1死一、二塁では捕手が伝令の姿を見て「申告敬遠」と勘違いし、一塁まで歩いてから訂正される珍事も起きた。ツイッターでは一時「山の日」に次ぎ「浅野くん」がトレンド入り。浅野のための甲子園になるかもしれない。(北野 将市)

 《香川勢で初の連発》高松商の浅野が佐久長聖戦で2打席連続本塁打。夏の甲子園での2打席連続本塁打は19年仙台育英戦での内山壮真(星稜)以来40人目、42度目。香川勢では初めてとなった。1番打者では02年の金井仁志(青森山田)以来20年ぶり2人目だ。

 《夏最多は6発》夏の甲子園での1大会最多本塁打は17年に中村奨成(広陵)がマークした6本塁打。次いで85年清原和博(PL学園)の5本塁打となっている。中村、清原を含め4本以上は過去6人。浅野はどこまで近づくことができるか。

 【浅野 翔吾(あさの・しょうご)】

 ☆2004年(平16)11月24日生まれ、香川県出身の17歳。50メートル走5秒9、遠投110メートル。1メートル71、86キロ。右投げ両打ち。

 ☆球歴 屋島小3年から野球を始め、屋島中では軟式野球部に所属し、3年時に全国大会8強。U―15日本代表に選出。高松商では1年夏の県独自大会から背番号19ながら3番右翼で出場。昨夏甲子園は「2番・右翼」で出場して2試合で7打数4安打。

 ☆勝負曲 阪神・中野ら多くのプロ野球選手が登場曲に用いているベリーグッドマンが好きなアーティスト。中でも「ライオン」がお気に入りで試合前に必ず聴く。

 ☆突然の主将任命 智弁和歌山戦との昨夏3回戦で高校通算35号の甲子園初本塁打。敗退後のオンライン会見で長尾監督から「キャプテンとして、どういうチームにしたいのか」と突然の新主将指名を受け、戸惑いながら「したい気持ちはある」と受諾。

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