オリックス・吉田正「その上のレベルにいかないと」 投高打低の現状に発奮、後半戦へ攻守での活躍誓った

[ 2022年7月29日 07:00 ]

後半戦へ向け意気込む吉田正(撮影・坂田 高浩)

 【吉田正尚コラム・未到の境地】

 オリックス・吉田正尚外野手(29)が28日、本紙にコラム「未到の境地」を寄せた。ロッテ・佐々木朗の完全試合に始まり、同僚の山本まで前半戦だけで4投手がノーヒットノーランを達成。球界屈指のスラッガーとして「投高打低」の現状に対する思いとは。後半戦では守備を含めた全力姿勢でリーグ連覇を目指す意気込みも明かした。(構成・湯澤 涼)

 前半戦を振り返れば、いい形に入ったところで、新型コロナウイルス陽性判定を受けたことがダメージが大きかったですね(※1)。3度目のワクチンを打って対策はしっかりしていたのですが、喉がチクチクしたのはあったかな。味覚障害などはなく、家族のサポートも受けながら、家族には何もなかったことが、よかったです。

 左太腿裏のケガも悔しいです。コロナから復帰してすぐでしたから(※2)。焦りもありました。患部に張りがなかったので、刺激を入れないとあかんなというところで。チームに申し訳ないと思いました。オフに足首の手術(※3)を受けた影響もあるのではと、いろんな人から言われました。バランスは確かに変わりましたが、一概にどうかなと思います。年齢による肉体の変化は感じないです。多少なり原因はあるのかもしれないけど、防げたこと。去年と箇所は少し違うけど、同じ左足で、再発は再発。同じミスはしてはいけない。

 ロッテの佐々木投手に許した完全試合を含めて前半戦だけでノーヒットノーランが4投手。多いですよね。「投高打低」と言われますが、確かに投手のレベルは高いです。制球もいいし、いい投手ほど投げミスをしない。球種が増えていますよね、明らかに。打者が絞りづらくなっている。(山本)由伸なんか全部の球で三振が取れる。佐々木朗希投手も真っすぐにフォーク、カーブがある。武器になる球が2つ以上あるというのがね。打者からすると、まず強い真っすぐと、あと1つ、2つ…という考え方になってしまうので。

 だからこそ、自分もまた一つ、その上のレベルにいかないといけないと感じながらプレーしています。常に自分の打撃スタイルに磨きをかけ続けることは意識しています。力強い打球、ミスショットを減らす、追い込まれてからも、しぶとく。力強さや打球速度、確実性を上げる。そうすればミスショットのゴロでも外野へ抜ける確率は上がるし、数字上も上がってくるので。

 球宴前には、フィギュアスケート男子で五輪連覇した羽生結弦選手がプロ転向したニュースがありました。人知れない重圧など、僕らが分からないこともたくさんあったと思う。ケガもありながら逆境に向き合って、大舞台で結果を出し続けるのは並大抵ではない。野球は団体競技ですが、個人で戦うところもあり、同じ日の丸を背負ったというのもある。世界で活躍する凄いアスリートとして感じる部分はあります。

 後半戦から守備に就いていくと思います。首脳陣の考えもありますし、チームのバランスとの兼ね合いもあるので、話し合ってからですが、やっぱり守備も含めて貢献したい。チームの投手は本当にいいので、後は野手が頑張って点を取っていけば、また優勝に近づける。そこを目指して戦っていきます。(オリックス・バファローズ外野手)

 (※1)5月8日に実施した新型コロナウイルスのスクリーニングPCR検査で判明。

 (※2)5月21日に「左ハムストリングスの軽度筋損傷」で登録外。コロナ禍から同17日に再昇格し、練習参加した際に患部を負傷。兵庫県内の病院で診断された後も1軍に同行し、治療を継続して出場機会を模索。20日楽天戦の練習に一部参加し、ベンチ入りもしていた。

 (※3)昨年12月に両足首のクリーニング手術。

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2022年7月29日のニュース