社、阪神・近本先輩でも届かなかった初の夏の聖地!山本監督「まだどのような感情なのか整理できない」

第104回全国高校野球選手権兵庫大会決勝   社6―3神戸国際大付 （ 2022年7月28日    ほっともっとフィールド神戸 ）

＜神戸国際大付・社＞神戸国際大付を破り、甲子園出場を決めた社ナイン（撮影・平嶋　理子）
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　第104回全国高校野球選手権大会（8月6日から17日間、甲子園）の地方大会は28日、9大会で新たに出場校が決まった。兵庫大会では社が神戸国際大付との延長14回タイブレークの熱戦を制して初優勝した。

　最後の二飛を主将の後藤剣士朗（3年）がつかむと、創部74年目の悲願をかなえた社ナインがグラウンドにどっとなだれ込んだ。昨夏優勝の神戸国際大付をタイブレーク突入2イニング目で撃破。14回1死二、三塁から決勝の右前2点打を放った「3番・遊撃」の福谷宇楽（うた＝3年）は興奮気味に振り返った。

　「追い込まれていたので、どんな球にも対応できるよう右方向を意識していた。抜けた瞬間は本当にうれしかった」

　準備し尽くされた守備が勝利を呼んだ。9回2死一、二塁で救援したエース右腕の芝本琳平（3年）は打者に1球も投げることなく、二塁けん制で走者を刺した。「練習からいくと決めていた」という遊撃手・福谷とのあうんの呼吸で、0球でサヨナラの窮地を脱出。同点の延長12回2死一、三塁でも一塁手がはじいたゴロに素早く反応し、見事なベースカバーで救った。

　今春県大会では報徳学園との準決勝で2失策が響いて敗退、以降は実戦で失策が出るたびに解決策を話し合ってきたことが雌雄を決する局面で効果を発揮した。

　阪神・近本や楽天・辰己というドラフト1位でプロ入りした先輩たちでさえ届かなかった夏の聖地。山本巧監督も「勝たせてもらったことにホッとしていますが、まだどのような感情なのか、整理できない状況」と夢見心地だった。芝本は「スタンド、ベンチも含めて全員で戦いたい」と心待ちにした。春に一度だけ出場した04年には4強入りした兵庫の公立の雄。夏の旋風を予感させる一丸勝利だった。（北野　将市）

　▼阪神・近本（12年度卒）念願の夏の甲子園出場おめでとうございます。OBとして、とても誇らしく思います！社高校らしさを十分に発揮して、チーム一丸となって頑張ってほしいです。

　▼楽天・辰己（14年度卒）決勝戦を見ていて、決まった瞬間はとても感動しました。喜びもつかの間とは思いますが、甲子園でも心からプレーを楽しんで頑張ってほしいです。