【プロ野球・球宴名場面 番外3】夢の復興支援球宴 日本人選抜VS外国人選抜 主役はやっぱりイチロー

[ 2022年7月26日 17:20 ]

1995年7月25日、8回に出たメジャー級のイチローの一発に出迎えた日本の4番・清原も「スゲー」
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 2リーグ分立翌年の1951年にセ・リーグとパ・リーグの対抗方式で産声を上げ、今年で72回目を数えるプロ野球「マイナビオールスターゲーム2022」が7月26日(福岡PayPayドーム)27日(松山・坊ちゃんスタジアム)に開催される。昭和から平成、令和…巨星たちが数多の名勝負を繰り広げてきた真夏の球宴。野球ファンの記憶に刻まれた名場面ベスト10(スポニチ選定)と番外編を紹介する。(所属、球団名、登録名、球場名は当時)

 ■1995年7月24日

 オールスターの公式試合ではないが、もう一つの「夢の球宴」としてファンの記憶に刻まれている試合がある。95年オールスター第1戦の前日に開催された「阪神大震災復興チャリティードリームゲーム」球宴出場選手を中心とした日本人選手とNPB球団所属の外国人で構成した外国人選抜の戦い、屋根を開けた福岡ドームで開催された。

 日本人選抜の監督は王貞治(ダイエー)「こんなチームで戦ってみたい」というスタメンは1番に被災地神戸の希望の星であるイチロー(オリックス)。クリーンアップは小久保裕紀(ダイエー)4番はもちろん清原和博(西武)5番は松井秀喜(巨人)。先発は野田浩司(オリックス)だ。外国人選抜の監督はこの年、ロッテの指揮を執ったボビー・バレンタイン。クリーンアップは3番にトーマス・オマリー(ヤクルト)4番にはフリオ・フランコ。バレンタイン監督に誘われロッテ1年目。レンジャーズ時代の91年首位打者を獲得。MLBオールスター3回出場のレジェンドだ。この試合の前までイチローに次いで打撃ベストテン2位と日本球界でも実力を発揮していた。5番は前年セの首位打者、アロンゾ・パウエルだった。捕手の登録選手がいないことから巨人・大久保博元、ロッテ・定詰雅彦がメンバー入りした。

 試合はフランコの2安打などで外国人選抜が勝つのだが、ファンを酔わせたのはイチロー。3回二塁内野安打で出塁すると野村謙二郎(広島)と重盗を決める。8回、中日・モンテから右翼へ美しいアーチを描いた。9回には右前打。バレンタイン監督が「グリフィーJr.、ボンズに匹敵するバランスのいい選手だ」と絶賛するほどの大暴れだった。イチローは「会心の当たりでした。阪神地区の人が少しでも元気になってくれれば」と歴史的イベントの猛打賞を喜んだ。1カ月後、約1億円がチャリティーとして寄付された。

 「日本人選抜VS外国人選抜」チャリティーゲームは新潟県中越地震などの復興支援のため2005年3月14日にも行われている。

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