【プロ野球・球宴名場面 番外2】飛行機乗り遅れ プロ3年目“遅刻魔”松井秀喜が爆笑MVP

[ 2022年7月26日 17:10 ]

1995年7月26日、大遅刻で球場入りした松井
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 2リーグ分立翌年の1951年にセ・リーグとパ・リーグの対抗方式で産声を上げ、今年で72回目を数えるプロ野球「マイナビオールスターゲーム2022」が7月26日(福岡PayPayドーム)27日(松山・坊ちゃんスタジアム)に開催される。昭和から平成、令和…巨星たちが数多の名勝負を繰り広げてきた真夏の球宴。野球ファンの記憶に刻まれた名場面ベスト10(スポニチ選定)と番外編を紹介する。(所属、球団名、登録名、球場名は当時)

 ■1995年第2戦=7月26日

 ゴジラ松井といえば球界屈指の「遅刻魔」として有名だが、オールスターでもやらかしていた。

 プロ3年目、横浜スタジアムで行われた第1戦は4打数ノーヒットとさっぱりだった。第2戦は広島市民球場。26日午後零時10分羽田発の飛行機で移動する予定だった。川崎市のジャイアンツ寮を出発したが渋滞に巻き込まれ、タッチの差で乗り遅れてしまった。次の広島行きの便は2時間後。ようやく広島市内の宿舎に到着。荷物を置き、球場で向かったがタクシーでまたハプニング。新人女性ドライバーが正面入り口を通り越し、一方通行でオロオロ。松井は「もう降ります」というと球場を囲う柵を跳び越えた。午後4時45分、球場に駆け込んだが全セの練習はとっくに終わっていた。長嶋監督が「おっ来たか。やってくれましたね。アハハ」と笑顔で迎えてくれたのが救いだった。

 やんちゃな21歳。試合が始まると第1打席で右前打。第2打席で中前打。5―5で巡ってきた6回の第4打席。2死一、三塁のおいしい場面でロッテ・伊良部秀輝から右前へ。決勝タイムリー&猛打賞で初のMVPに輝いた。

 お立ち台の松井に全セベンチからヤジが飛ぶ。「賞金じゃなくて罰金200万円だろ」(横浜・佐々木主浩)、「調子こいてんじゃねえぞ」(巨人・斎藤雅樹)。珍道中を付き合わされた松井番記者たちに囲まれると「オレってもしかして悪いヤツ?MVPはさすがにまずいんじゃない。ホームラン打てたらもっと気持ちよかったけど、まあ今日はぜいたく言えないから」。ちなみに試合後に開催された巨人勢の食事会では松井が全額支払ったとか。
 

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