中畑清氏 コロナ禍で試合実行のための12球団の総意としての明確な基準求む

[ 2022年7月26日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】プロ野球は7月に入って選手、スタッフ合わせて200人以上の新型コロナウイルス感染者を出しながら、球宴までの前半戦を終えた。

 パ・リーグは日本ハムを除く5球団に貯金があり、首位ソフトバンクから5位オリックスまで2.5ゲーム差の大混戦。一方のセ・リーグは2位以下に11ゲーム差をつけるヤクルトが貯金を独り占め。勝率5割で2位に並ぶ阪神、広島から5位の巨人まで2.5ゲームしか離れていない。

 試合消化に多少の違いはあるけど、残りは各球団とも50試合前後。パの優勝争い、セの順位争いは最後までもつれそうな気がする。

 で、気がかりなのはやっぱりコロナだね。24日現在、支配下登録69選手中38人が感染した巨人を筆頭にヤクルト、広島、日本ハム、ソフトバンクなどでクラスターが発生している。

 巨人は22日からの中日3連戦が中止。高津監督はじめ山田、塩見ら17選手が感染しながら試合をして苦戦が続いたヤクルトと比べて、不公平感を訴える声が聞こえてくる。ヤクルトも9日からの阪神戦が2試合中止になったんだけどね。

 一勝、一敗の重みが増す球宴後の戦い。12球団全てにクラスターの可能性がある。後味の悪い分断を生まないために、ここまでは決行、こうなったら中止という明確な線引きが必要なんじゃないかな。

 NPBの新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインの<試合挙行・続行の可否の決定>にはこうある。

 「試合当日において、コロナウイルスの影響によりチーム内に陽性認定者(および濃厚接触者)、経過観察者などが発生した場合、試合2時間前までにベンチ入り26名(または当該球団が試合を行えると考える選手数)がそろわない場合は、リーグ統括ならびに相手球団の了承を得た上で、事前に試合中止を決定することが出来る」(原文のまま)

 試合を行えると考える選手数は球団によって違うと思う。そこに不公平感が生まれるんだよね。当該球団の判断じゃなく12球団の総意としての基準が欲しい。一番分かりやすいのは感染者の数かな。球宴期間中に検討し、明確な線引きをして後半戦に突入してもらいたい。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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