【スポニチスカウト部(23)】中大・森下「バットを縦に使う」 メジャー流で身についた広角打法

[ 2022年7月26日 06:15 ]

スポニチスカウト部23

メジャー流でコンパクトなスイングを目指す森下
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第23回は中大・森下翔太外野手(21)。東都大学野球リーグで通算8本塁打をマークし、今春までに2度のベストナインを受賞。右の大砲は上位候補に挙がる。

  1メートル82、90キロの体格を持つ森下のスイングは豪快に見える。しかし、理想はコンパクトな軌道。「日本の選手よりもメジャーの選手を見ています。コンパクトに“バンッ”と飛ばすのが理想」と語る。

 教材としているのは、エンゼルスのトラウトやヤンキースのジャッジ。「マネするというか、見て感じたものを自分の形でやる」。動きをコピーするのではなく、生かせる部分を探してフォームに落としこんでいく。

 今春キャンプから始めた試みが、メジャーの選手でも多く見られる「バットを縦に使う」という打ち方。普段の練習では、振り終わりで右手の手のひらが真上を向くようなスイング軌道で、片手でのティー打撃を繰り返す。この練習でバットのヘッドを返さないことと、投手のボールの軌道を合わせる意識を体に染みこませる。

 春季リーグでは打率・311、3本塁打をマーク。「アッパー(スイング)とか言われるが、そうではないと思う。打てる幅が広く、どこに当たっても広角に打てたのが今回の春だった」と確かな手応えを得た。一方で、チームとしては苦難の春だった。青学大、日大との三つ巴の順位決定戦では最下位に。2部1位の東洋大との入れ替え戦に回った末、何とか残留を決め「今までで一番きつい期間だった」と振り返った。

 今月にオランダで開催された「第30回ハーレムベースボールウイーク」の大学日本代表に選出されたが、直前合宿のオープン戦で死球を受け、右手の豆状骨(とうじょうこつ)を骨折。チームにはそのまま同行して仲間を鼓舞し続け「チーム全体を見る経験ができたのは良かった」と語る。秋のリーグ戦開幕に間に合うかは微妙な状況の中で「できることをやるしかない」とランニングなどで体力強化に励む。努力の先に、チームと自身のさらなる進化を見据えている。

 《先輩DeNA・牧とは仲良し》2学年上のDeNA・牧はともに練習に励んだ元チームメート。「ちゃんとプロ野球選手だな、って。前は大学生の中で凄いなという感じだったけど、結果も出しているので」と評した。牧とはよく話をしたというが、打撃論を語るわけでもなく「野球に関係ない話の方が多いですね。毎日、無意味な会話を常にしてました」とふざけ合っていたことも仲の良い証拠だ。ルーキーイヤーの昨季は打率.314、22本塁打、71打点をマークし、今季は4番で活躍する先輩について「本塁打を打っているのが意外。また違うものをつかんでるのかなと思います」と話した。

 ☆球歴 日限山小1年時に野庭日限フェニックスで野球を始め、主に投手と捕手を務める。日限山中では戸塚シニアでプレー。東海大相模では1年夏から中堅手としてベンチ入りし、3年春に選抜出場。中大では1年春にリーグ戦デビューし、打率.306でベストナインを獲得。その後の日米大学野球の代表メンバーにも選出。

 ☆特技 ダーツとボウリングが得意。ボウリングの最高スコアは240。

 ☆国際大会 大学以外では小学校時代に横浜市港南区の選抜チームとして台湾での試合を経験。

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