落合博満氏 中日監督就任1年目で一番怖かったこととは 異例の1、2軍全選手による胴上げの心境も告白

[ 2022年6月3日 17:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が3日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。中日監督就任1年目でリーグ優勝を勝ち取った2004年当時を振り返った。

 79勝56敗3分けで、就任1年目の落合監督は2リーグ制後では初めてコーチ経験のない新人監督として優勝へ導いた。「これだけ練習をさせたんだから、勝たなきゃいけないなと。勝つためには、どういうふうに持っていくかということだけはずっと考えてた」と落合氏。「3年契約なんだから、1年目じゃなくて、3年目に優勝したら契約が延びるんじゃないか、という人もいたけどね。あれだけの練習量を課して、それでも勝てなかったら、選手が“練習したって勝てないんだからもういいや”っていうふうになるのが一番怖かった。だから1年目からの勝負だった」と明かした。

 シーズンを乗り切る体力をつけるため、徹底した練習に加え、シーズンでは「勝つことが最高のファンサービス」と勝利至上主義を貫いた。「優勝するってことを掲げて、それに突き進むことですよ。優勝することによって、お客さんが喜んでくれる。それが最高のファンサービスだろうということでね。物を配ったり、なんかイベントをやるのがファンサービスっていうふうに考えがちな昨今で、せっかく高いお金を出して見に来て、自分が応援するチームが負けて、気分を悪くして帰すよりも、勝って帰して優勝する方がどれだけのファンサービスなのかということをいいながらね」と哲学を語った。「まあ、(監督を)辞めてもそれを理解してくれる人はいないけどね」と話した。

 大型補強を行わず、1、2軍分け隔てなくキャンプに入り支配下登録70人中57人を1軍で使った。2004年10月1日。リーグ優勝を決め、その1、2軍全員を呼んでの胴上げとなった。5度舞った胴上げでは両手を広げ、目を閉じた。「胴上げってどういうものか、初めての経験だったんでね。落とされないか、それが心配だった。まああれだけの人数がいるから、落とすことはないだろうとは思いながら」と冗談めかしながらも「いい気分だったよ」とかみしめるように話していた。

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