オリ・平野佳、NPB200セーブ「いつもより高揚」史上最年長&史上最遅の勲章

[ 2022年6月3日 05:00 ]

交流戦   オリックス3-1DeNA ( 2022年6月2日    横浜 )

<D・オ>NPB通算200セーブを達成した平野佳(撮影・島崎忠彦)
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 オリックス・平野佳寿投手(38)が2日、DeNA戦で今季15セーブ目を挙げ、史上7人目のNPB通算200セーブを達成した。3―1で迎えた9回を3者凡退に抑えた。38歳2カ月、618試合目での到達は、最年長で最も遅かった。日米通算では208セーブ。京産大時代の教え子の金字塔に、前監督の勝村法彦氏(65)がスポニチ本紙に祝福のメッセージを寄せた。

 最後の打者・牧を宝刀フォークで空振り三振に仕留め、平野佳は拳を握りしめた。2点リードの9回を、危なげなく2三振を含む3者凡退で今季15セーブ目。史上7人目のNPB通算200セーブに到達した瞬間だった。

 「(記録のことを)知っていましたし、いつもより高揚していたところはありました」

 先発投手として入団し、5年目の10年から本格的に救援転向。大リーグで8セーブを積み上げ、昨季から古巣に復帰した。38歳2カ月での到達は最年長、618試合目は史上最も遅かった。

 「いろんなポジションを経験できて、それが生きているし、その分、遅くなったかもしれないけど。うれしいし、良かったです」

 衰え知らずの肉体は、地道な努力の積み重ねだ。ベテランほど優遇され個別練習になりがちだが、今でも若手に交じりダッシュを繰り返すなど、チームの練習メニューを淡々とこなす。同期入団で近くで見てきた岸田投手コーチは言う。「みんなで会食して、どれだけ盛り上がっても、羽目を外したり、二日酔いとか、見たことない。常に次の登板を考えているんでしょう。真面目なやつです」

 真摯(しんし)な姿勢の原点に、平野佳は母校・京産大の恩師、勝村法彦前監督の存在を挙げる。

 「大学2年の春、慢心していた自分に喝を食らわしてくれた。一番の転機。“1年生のまま上がってきたから、こうなったんだ”と。社会人としての姿勢を教わり、それがまた野球につながっている」

 19年阪神・藤川以来2人目で、パ・リーグでは初のNPB通算200セーブ&150ホールドにも残り5ホールドとなった。そして、名球会入り条件となる日米通算250セーブにはあと42。「まだまだ長いので。一歩前だけ見て」。着実に歩みを進める背番号16なら、届くはずだ。(湯澤 涼)

 ◇平野 佳寿(ひらの・よしひさ)1984年(昭59)3月8日生まれ、京都府出身の38歳。鳥羽では2、3年春に甲子園出場。京産大から05年大学・社会人ドラフト希望枠でオリックス入団。11年に最優秀中継ぎ投手、14年に最多セーブに輝いた。17年オフに海外FA権を行使し、ダイヤモンドバックス―マリナーズを経て、21年にオリックスに復帰。メジャー通算150試合で9勝9敗8セーブ、防御率3.69。1メートル86、88キロ。右投げ右打ち。

 《史上7人目快挙》平野佳の通算200セーブ達成はプロ野球7人目。初セーブは10年7月28日の日本ハム戦。618試合目での到達は岩瀬(中)の594試合を超えて最も遅く、38歳2カ月もサファテ(ソ)の36歳2カ月を抜く最年長となった。大リーグ時代を含め、日米通算では208セーブとなった。

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2022年6月3日のニュース