攻守で躍動!広島・奨成 3打点だ強肩発動だ 今季初先発マスクで大暴れ「思いきっていきました」

[ 2022年6月3日 05:00 ]

交流戦   広島6-3日本ハム ( 2022年6月2日    マツダ )

<広・日>ヒーローインタビューを終え笑顔でポーズの中村奨 (撮影・奥 調)
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 広島・中村奨成捕手(22)が2日の日本ハム戦で攻守にわたる活躍でチームを救った。「8番・捕手」で昨年5月30日のロッテ戦以来の先発マスクに抜てきされた一戦。0―1の5回には強肩を披露して二盗阻止。直後の攻撃では2死満塁から走者一掃の二塁打を放ち一挙6点を奪う逆転劇に貢献した。チームは5試合連続1得点以下の貧打から脱出し、交流戦今季初のカード勝ち越しを決めた。

 今春キャンプ中、中村奨はバットを手に正捕手である会沢のもとに向かった。「アツさん(会沢)に聞きたいことがあるのですが…」。構えた際にバットのヘッドを投手側に倒すのが会沢と中村奨の打撃フォームの共通点。11学年上の先輩にも臆せずバットの出し方をたずねた。会沢は「(投手側に)ヘッドが入っていても、結局バットが通るところは同じ。バットを振りにいこうとするのではなく、グリップを(球に)ぶつけていく、落とすイメージ」とポジションの重なる後輩にも丁寧に教えてくれた。

 尊敬する先輩からの教えを守った。0―1の5回に3つの押し出し四死球で逆転し、なおも2死満塁。1ストライクからの外角低め直球に対して、バットのグリップを落とすようにして振り下ろした。打球は右翼・万波のグラブをわずかに越える走者一掃の二塁打。二塁ベース上で両手を大きくたたいて喜んだ。

 「打撃コーチから(ボールを)“つぶして”という助言があった。その通り、思い切っていきました」

 今春中の会沢と中村奨の打撃談議。昨季までは見られない光景だった。「今までならアツさんに質問するのもちゅうちょしていたと思う。でも今年は勝負の年。思い切って聞いてみたいと思った」。初めて1軍に合流した20年の春季キャンプでは、会沢が守備練習に入った瞬間にナインに緊張が走るのを感じた。「空気が変わった。すごいな…と。ビックリした」。あれから2年。いまだに先輩への緊張は抜けないものの、一歩ずつ成長していることを示した。

 守備では3回2死一、三塁から二盗阻止を狙った送球間に先制の生還を許したものの、5回2死一塁ではストライク送球で二盗を阻止。チームは試合前まで交流戦8戦で8盗塁を献上していた中、自身の強肩が武器の一つとなることを証明した。

 「やっぱり試合に出たい。昨日、外野で出て(2安打して)今日の捕手での出場につながった。今日みたいなプレーを続けていきたい」。本職の捕手としての出場は今季2試合のみ。それでも捕手の姿がよく似合っていた。(河合 洋介)

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2022年6月3日のニュース