西武　球団初！2試合連続1安打完封リレー！「最高でーす」水上　わずか2球でプロ初勝利

パ・リーグ   西武3―0ロッテ （ 2022年4月20日    ベルーナD ）

＜西・ロ＞7回、山口を投ゴロに打ち取り、ガッツポーズする水上（撮影・久冨木　修）　　
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　ベルーナドームのスコアボードには、ロッテの「H」に「1」が光っている。まるで前夜の再現だ。西武の1安打完封リレー。それも2試合連続となると球団史上初だ。そんな快挙で主役になったプロ2年目、23歳の水上がお立ち台で極上の笑みで声を張り上げた。

　「最高でーす」。それもそうだろう。20年の育成ドラフト5位で入団し、昨年5月に支配下契約。度胸の良さと球威を買われて勝ちパターンのリリーフの座をつかみ、わずか2球でプロ初勝利を手にした。育成出身の選手が白星を手にするのは球団史上初めてだ。

　前夜は来日初先発の新外国人スミスが7回まで無安打に抑えて交代。継投で1安打完封した。その「ノーノーの流れ」を受け継ぐように、先発・松本が7回1死までノーヒット。威力ある高めの直球を軸にカーブで緩急を付け、ロッテ打線を封じた。「（無安打は）全然意識していなかった。点を取ってくれるまでゼロに抑えることだけ考えた」。その松本が5番・菅野に右前へ初安打され、四球などで2死二、三塁となって降板。後を受けたのが水上だった。

　「いつも厳しい場面を想定して準備している。ここで抑えたら格好いいな、と」。ピンチを楽しむ度胸が持ち味の右腕は、代打・山口を0―1から「“思い切り詰まらせたろう”と思った」と内角シュートで投ゴロに打ち取った。たったの2球だが、試合の流れを引き寄せた。美馬に無安打だった打線が先制したのはその裏。プロ初勝利が転がり込んだ。

　帝京三時代にメンタルトレーニングを積み、どんな場面にも動じない。数日前、グラウンドで一点を見つめていた辻監督は、水上から「何か悩み事があるんですか？」と言われた。「監督をおちょくるんだからね、あいつは。（7回のピンチは）抑えてくれるだろうと。航（松本）も素晴らしかった。勝ちに等しい」と称賛した。

　ウイニングボールは両親に贈るという水上。その笑顔が、昨季はリーグワーストの防御率3・94で最下位に沈んだチームの浮上を予感させた。（秋村　誠人）

　≪チーム初2戦連続被安打1完封勝ち≫西武が2戦連続で被安打1の完封勝ち。2試合連続被安打1以下の完封勝利は日本ハムが95年7月4、5日の西武戦（1安打→0安打）で達成して以来で、チームでは初めてだ。また、西武は今季、3月26日オリックス戦でも被安打1で5―0の勝利。チームでシーズン3度の被安打1以下の完封勝利は西鉄時代の56年に達成して以来66年ぶり。