大野豊氏 また継投策明暗 勝負球狙われたオリックス・比嘉 気持ちが乗ったヤクルト・石山

[ 2021年11月25日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2021第4戦   ヤクルト2-1オリックス ( 2021年11月24日    東京D )

<ヤ・オ>7回、杉本(手前)を空振り三振に仕留めた石山(撮影・島崎 忠彦)
Photo By スポニチ

 【大野豊氏 シリーズ大分析2】このシリーズ通じて勝負を分けているのが継投。オリックスが決勝点を失ったのも、先発・山崎颯から継投に入った6回だった。

 2番手・増井が2死から四球と安打で招いた一、二塁。ここでの比嘉投入は間違いではない。ただ、7番・オスナに対しての配球がどうだったか。比嘉の決め球は、切れ味鋭いスライダー。初対戦で打つのは難しいボールだ。オリックスのバッテリーが2―2から選んだ勝負球もスライダー。ただ、そこまで全て外角で、カーブを1球挟んで3球スライダーを投じていた。

 同じ球種を続けると打者の目が慣れて、タイミングが合いやすくなる。加えて投げミスも多くなる。中前打された外角スライダーはコースも甘く、タイミングが合っていた。配球の中で、内角を1球使っていれば結果は違ったかもしれない。

 対してヤクルトは好投の石川から7回に石山を投入。前日の第3戦で好投した右腕は本来の躍動感が戻っており、何より気持ちが乗っていた。シーズン中から高津監督が「逃げるな」と指導してきたのが生きた感じで、8回から清水―マクガフと継投もはまった。(スポニチ本紙評論家)

 ≪中継ぎも奮闘 5イニングで自責1≫ヤクルトは先発陣はもちろん、中継ぎ投手陣の奮闘が目立つ。5イニングを投げて自責1の防御率1.80。オリックスの同7.71とは対照的だ。完了(試合の最後に投げた投手)は抑えのマクガフが第1戦で0/3回を3失点だったため防御率13.50だが、ここ2試合は無失点。一方、オリックスの守護神・平野佳はまだ登板していない。

続きを表示

この記事のフォト

2021年11月25日のニュース