「狙い」通りの初回初球先頭打者弾!! 阪神・近本 天敵攻略で初の10号到達も見えた

[ 2021年8月27日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神9-3DeNA ( 2021年8月26日    京セラD )

<神・D21>初回無死、近本は初球を叩いて右越えに先頭打者本塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 阪神・近本光司外野手(26)が26日のDeNA戦で今季4本目の初回先頭打者本塁打を放ち、4月4日の首位浮上から計13度目の陥落回避へ導いた。今季3戦3勝を許していた坂本の初球を快打。3回も右越え二塁打で決勝点につなげるなど3安打の活躍だった。猛打賞は今季10度目で、球団史上初めて新人から3年連続で2桁回数を達成。117安打はリーグ最多に浮上し、2位・巨人を2ゲーム差へ突き放した。

 近本が1球で突破口を開いた。初回先頭で坂本の143キロ直球を右翼席へ。天敵攻略へ号砲を鳴らした。

 「試合前のミーティングで狙い球をしっかり決めて打席入ることができ、イメージ通りのスイングができた。結果的に最高の形になった。チームに勢いをつける一打にもなったので良かった」

 実は東京ドームで対戦した1週間前も初回に初球を打った。スライダーで中飛。振り返れば、過去3戦の第1球はすべてスライダーだった。前回の強振が坂本の脳裏に残っていたのか…。阪神戦で初めて第1球に選んだ直球が、近本にとっては「狙い」通りだった。

 過去2年はともに9発どまり。「またチームが勝てるようなホームランを打てたらいい」。47試合を残して自己最多に並び、初めての10号到達は濃厚といっていい。

 3回無死一塁でも仕留めたのは1ボールからの第1ストライクだ。今度はスライダー。右翼フェンス最上部に直撃させる二塁打で好機を広げ、一挙4得点の勝ち越しを呼んだ。

 7回も無死一塁からの中前打で再び3得点を誘発。7月7日のヤクルト戦以来、10度目の猛打賞で117安打まで伸ばし、DeNA・佐野を抜いてリーグトップに浮上した。打率も7日ぶりに3割台を回復。3得点を加えた66得点もヤクルト・山田に5差をつけるリーグトップで、“2冠”に立った。

 交流戦の頃から右足を上げてタイミングを取る際、軸足の左足が2段モーションのようになっていることに映像を見て気がついた。「それはダメなんですよ。左足の膝に力が入って、頭が下がっていくというのがあって…」。力が直接ボールに伝わらず、バットの芯で捉える確率も減る。改善には時間を要し、後半戦は12試合で打率・370。成果は数字に表れる。

 三塁打ならサイクル安打だった8回は一ゴロ。19年球宴第2戦で新人史上初の快挙が残っていても、公式戦ではまだない。「頭にはあった。これからの野球人生で一度はやってみたい。チャレンジしてみたい」。強打と俊足の両方を持つ猛虎のリードオフマンなら実現の日は、そう遠くない。 (長谷川 凡記)

 ○…近本(神)が初回先頭打者本塁打。シーズン4本は04年今岡誠(5本)以来17年ぶり。なお、シーズン最多の球団記録は03年今岡の7本。

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