中京大中京・畔柳 中2日もへっちゃら!今大会最速149キロで、選抜最多57勝目に花添えた

[ 2021年3月28日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第8日第3試合 2回戦   中京大中京15ー5常総学院 ( 2021年3月27日    甲子園 )

<常総学院・中京大中京>5回2死満塁、常総学院・三輪を中飛に抑えた中京大中京・畔柳(左)は高橋監督に頭をなでられる(撮影・後藤 大輝)
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 2回戦の残り3試合があり、中京大中京(愛知)の151キロ右腕の畔柳亨丞(くろやなぎ・きょうすけ)投手(3年)が今大会最速の149キロを計測して7回1失点に抑え、11年ぶり8強へ導いた。打線も15安打15得点で援護し、選抜歴代単独1位の57勝目となった。

 畔柳がエースの仕事を完遂した。131球で完封した1回戦から中2日で7回7安打1失点。「疲労感はあった」と認めても、それを理由に崩れることは受け入れられない。全力を尽くし、十分に試合をつくり、チームを準々決勝へと導いた。

 立ち上がりは球速140キロ前後にとどまり、カーブを多投して緩急に頼るなど苦心。2回2死、突然球速が跳ね上がった。「捕手からタイミングを取るのがうまい。警戒しないと…と聞いていた」。鳥山に対し、今大会最速の149キロを2球計測。力の出しどころを十分に考え、頭脳的に7回を投げ切った。

 出場32校中、最後の登場で、決勝まで進めば8日間で5試合。昨年から導入された「1週間500球以内」の球数制限もあり、「6回くらいで降板させようと思った」という高橋源一郎監督(41)に続投を直訴した。「あそこで終わると自分でも納得いかない。あと1回いけば、チームに勢いが付く」。大量リードにも守られ、最終的に110球で役目を終えた。

 試合後、対戦相手に一礼し、ダッシュで向かったアルプス席には親友の姿があった。昨秋はメンバーだったが、右肩の故障で今春は応援団長に回った青山彪輔だ。クラスが同じで席は前後。前日に連絡を取り、たわいもない話で盛り上がった。疲れた体に一服の清涼剤となった。「チームのために一球一球に魂を込めることが大事」。グラウンド、アルプス全員で戦うため、全力で腕を振る。 (桜井 克也)

 《女房役の加藤は4安打4打点》1回戦でわずか3安打だった打線が爆発した。常総学院の4投手全員から得点を奪い、15安打15得点で圧倒。特に畔柳の女房役の加藤優翔は3打席連続二塁打を放つなど4安打4打点の大当たりだった。16日の宿舎入り後、毎日起床1時間前にベンチ外メンバーとスイングして準備してきた成果を発揮。「低めは捨てて、浮いた高いところを打ちにいくとチームで決めていた」と胸を張った。

 ○…中京大中京が選抜57勝目。並んでいた東邦(愛知)を抜き単独トップに浮上した。また、愛知県勢は春通算173勝となり、並んでいた兵庫を抜き単独2位。1位は大阪の203勝。

 ▼常総学院・島田直也監督 高校生離れしているパワーピッチャー。“高めを見極めよう”と伝えたけど伸びるんでしょうね。

 ▼ロッテ・永野吉成スカウト部長 投げっぷりのいいピッチャーという印象。馬力があって、球速と球威で抑えるタイプ。投げるスタミナはあると思います。

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