巨人移籍のロッテ・香月一也 笑顔の裏に秘めている不屈の精神

[ 2020年9月7日 14:48 ]

巨人にトレードで移籍するロッテの香月一也
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 沢村とのトレード相手となったロッテ・香月一也内野手(24)が新天地で這い上がる可能性は十分にある。ロッテでは「コアラのマーチ」に似た愛嬌のある笑顔で人気だったが、本来は反骨の男だ。

 福岡の中学時代に世界大会にも出場した。大阪桐蔭に入学すると、2年夏から強打の内野手としてレギュラーを張った。ところが、2年先輩は藤浪晋太郎を絶対エースに擁して春夏連覇した「黄金の世代」。大阪桐蔭のユニホームは強烈な輝きを発し、全国の球児たちは憧れ、そして打倒・大阪桐蔭を掲げて立ち向かってきた。

 あの森友哉を擁した1学年上の世代でさえ甲子園は春夏ともに優勝を逃している。そして森が抜けた香月の代は、「最近の大阪桐蔭では最弱」とさえ揶揄(やゆ)された。

 「それが悔しかった」とプロ入り後の香月は振り返った。ドラフト同期に夏の甲子園で大接戦を演じた健大高崎のスピードスター・脇本直人がいた。ロッテ浦和球場のベンチで2人がその激闘について話していたとき、「絶対勝てると思った」と悔しがる脇本の横で、ニコニコする香月の姿があった。

 3年夏の甲子園大会。香月は全6試合に「3番・三塁」で先発出場し、27打数12安打10打点1本塁打、打率・444の成績を残し、「最弱」チームを頂点に導いた。

 ロッテでは平沢大河、安田尚憲ら同世代にライバルが揃い、さらに社会人出身の藤岡裕大やレアードの加入もあってチャンスは少なかったが、香月の底力はこんなものじゃない。当時の高校球児なら誰もが知っている。

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