合同練習会はスカウトにも“救済”新たにリストアップも コロナ収束後も継続希望の声

[ 2020年9月7日 05:30 ]

プロ志望高校生合同練習会 ( 2020年9月6日    東京D )

プロ志望高校生合同練習会のシート打撃で対戦する国学院栃木・シャピロ、上田西・高寺の対決を見つめる大勢のスカウト(撮影・木村 揚輔)
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 【総括】2日目に好投した国学院栃木のシャピロは合同練習会の象徴的な存在だったと言える。「今年に懸けていた」はずが、コロナ禍で実質、夏の独自大会2試合しかアピールの場がなかった。彼のような選手には、非常に意義深い機会だった。

 日本ハムの大渕隆スカウト部長は「映像しか見ていない選手を複数のスカウトで見られて良かった」と述べ、巨人・榑松伸介スカウト部次長は「追加でリストアップした選手もいた」と話した。夏の公式戦視察を制限した県もあっただけに、スカウトにとっては貴重な場となった。

 一方、練習会だけでは判断が難しいポイントがあったのも確かだ。試合での状況判断や対応力を見ることはできず、また実戦的な守備や走塁を売りにする選手はアピールが難しかったのではないか。

 それでも、未曽有の事態に際し、プロアマの垣根を越えて救済機会を設定したことは評価される。甲子園では元阪神の今成亮太氏、東京ドームでは侍ジャパンの井端弘和内野守備走塁コーチがノッカーを務めた。本来なら技術指導にあたるとして禁止されている行為。コロナ禍が収束して「日常」が戻っても来年以降の継続を希望する声も多く、大渕部長は「高校3年生が埋もれないようにするため、プロとアマで考えていくようになっていければ」とも総評した。就職支援に野球界全体で取り組む大きな一歩となったことは間違いない。(アマ野球担当キャップ・松井 いつき)

 ≪東西で計4日間≫今回の合同練習会は、代替大会でスカウトの視察が制限されるケースもあったため、日本野球機構(NPB)と日本高野連が特例的に開催を決めた。希望選手はプロ志望届を提出した上で、別途申し込みをして参加。居住地に応じて2会場に分かれた。西日本会場の甲子園では8月29日と30日に行われ、福岡大大濠の右腕・山下舜平大(しゅんぺいた)投手が150キロをマークするなど注目を集めた。

 ▼日本高野連・小倉好正事務局長 球児は、各自しっかりと準備をしてきたものを存分に披露することができたのではないか。来年度の開催については、新型コロナウイルス感染状況や他行事等の関係を見ながら、関係者と検討させていただきたいと思います。

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