ロッテ・安田 0・5差弾!打率ブービーでも不敗神話継続5号2ラン ソフトBに“雪辱”3連勝で貯金10

[ 2020年9月7日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ4―2ソフトバンク ( 2020年9月6日    ペイペイD )

<ソ・ロ>5回2死一塁、右中間に2ランを放つロッテ・安田(撮影・岡田 丈靖)
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 2位のロッテは6日、首位のソフトバンクを4―2で下し、同一カード3連戦3連勝。0・5ゲーム差に詰め寄った。4番の安田尚憲内野手(21)が5回に右中間へ5号2ラン。15試合ぶりの一発で貴重な追加点を挙げ、石川柊太投手(28)の18年から続いた連勝を11で止めた。4連勝で2016年以来4年ぶりの2桁となる貯金10に到達。若き主砲が勢いをもたらした。

 ロッテのレジェンドOB・落合博満は現役時代、決め球を狙い打ちしていた。相手投手に与えるダメージが大きいからだ。それが、4番の仕事。安田も石川のウイニングショット、124キロのパワーカーブを仕留めた。

 「浮いた変化球をワンスイングで仕留められた。低い球は打てないので、ゾーンを上げて待っていた」。5回に2点を先制し、なおも2死一塁。3度のファウルで粘り、カウント2―2から真ん中に入った失投を逃さなかった。本塁打を打てば、今季5戦5勝。不敗神話を持つ4番打者が、首位ソフトバンクとの直接対決で0・5ゲーム差に肉薄する3連戦3連勝に導いた。

 打率は規定打席到達者でブービーの・221。それでも井口監督は「今年は上(1軍)のレベルに合わせなくてはならない。我慢の時期も必要」と主砲として育てるため、昨季2軍で本塁打&打点の2冠に輝いた高卒3年目の21歳を7月21日から4番で使い続ける。

 安田は福岡に入った4日、井口監督から「もう一回初心に帰って、キャンプからやってきたことを思い出してやってみよう」と助言された。それは引きつけて打つことでボールを見極めること。首位との対決を前に原点に立ち返った。「どんな形でもつなげればいい」。そんな思いが15試合ぶりの一発につながり、3四球も選んで全打席出塁につながった。

 ちょうど1年前の9月6日。チームは千賀にノーヒットノーランをやられた。これ以上ない屈辱だが、当時2軍で泥まみれになっていた安田はいなかった。今では攻撃を「点」でなく「線」にできる「つなぎの4番」として機能している。05、10年の日本一の立役者、サブローのように。チームも昨季17勝8敗のソフトバンク戦で、今季も8勝3敗1分けと圧倒している。

 台風10号の影響で福岡空港から帰京する航空便が欠航。急きょ、博多駅から新幹線で約5時間の大移動となった。そんな事態にも、昨オフ、プエルトリコのウインター・リーグに参加した安田は「プエルトリコに行ったときは飛行機で、乗り継ぎを入れて30時間ですからね」と豪快に笑い飛ばした。こんなタフさも頼もしかった。(横市 勇)

 《1年前屈辱ノーノー雪辱》ロッテはソフトバンク・千賀に4回まで完全投球を許す。その後も出した走者は四死球による4人だけ。9回には連続四球で無死一、二塁としたが、最後は4番・井上が空振り三振。毎回の12三振を奪われ、育成ドラフト出身初のノーヒットノーランを許した。

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