ヤクルトが導入したプレー分析技術 「再現性」追求でチーム浮上目指す

[ 2020年9月7日 09:00 ]

神宮球場の一塁側スタンドに設置された「ホークアイ」のカメラ
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 ヤクルトが今季から新テクノロジー「ホークアイ」を導入した。神宮球場のバックネット裏や一塁側、三塁側など合計4カ所に取り付けられたカメラでマウンドのプレートから、ホームベース間の投球、打球の“質”を解析するためのもので、今季初めから取り入れられている。投球のスピード、回転数、回転の方向など、従来の測定器「トラックマン」でも計測できた項目ではあるが、より正確な数値を得ることが可能で、投手へのアドバイスなどに活用されている。

 来季からはカメラを8台に増やし、選手の骨格情報や動作解析も行うことができるようになる予定で、これは「トラックマン」では測れなかった部分。球団関係者は「練習や試合で見つかった課題を解決できる力になれば良い。先進的なテクノロジーを利用している球団もあるが、追いつけ追い越せでやっていきたい」と話す。

 長いシーズン、長い選手生活を送る上で重要になってくるのが投球フォームや打撃フォームなどの「再現性」で、選手らも日々、口にする。当然、肉体の経年変化はあるが、自身が好調時の形を維持できれば、パフォーマンスの維持につながるのは間違いない。YouTubeなど動画を見て再現性を高める努力をしている選手も多いが、性格に数値やデータが示されれば、より「正解」に近づくはずだ。

 さらには、そこからのポジティブなフォーム改造や、ケガのリスクを可能な限り抑えるフォームづくり、プレーにも活用することが期待される。現在は下位に低迷するスワローズだが、“鷹の目”の力も借りながら浮上を目指す。(記者コラム・黒野 有仁)

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