大阪桐蔭 7安打12得点で快勝発進、上野の先制弾が猛攻口火「つなごうという意識だった」

[ 2020年8月2日 15:49 ]

令和2年大阪府高等学校野球大会2回戦   大阪桐蔭12―0吹田(5回コールド) ( 2020年8月2日    豊中ローズ )

<吹田・大阪桐蔭>2回、無死一塁 中越えに先制の2点本塁打を放つ大阪桐蔭・上野(撮影・成瀬 徹)
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 大阪桐蔭が7安打12得点と効率のいい攻撃で快勝発進した。当初、試合は7月26日に予定されていたが、雨天による日程変更や相手校の事情等で1週間遅れとなった初戦。西谷浩一監督(50)は「だいぶ延びたので焦れましたが、それは仕方のないこと。今日に合わせてしっかりとやってきました」と話した。

 5番・上野海斗外野手(3年)の一振りが攻撃の合図だった。2回無死一塁、スライダーを完璧に叩き、中越えに高校通算13本、公式戦では2本目となる先制2ラン。「(4番の)船曳が塁に出てくれたので、自分もつなごうという意識だった」。主軸の相次ぐ故障を受けて公式戦で初めて務めた5番。結果を出し、さわやかに笑った。

 熊本県菊池郡出身。郷里は2016年の熊本地震で大きな被害を受けた。上野の自宅も半壊状態となり、電気はストップ。家族4人は約1週間の避難生活で車中泊を余儀なくされ、所属チームの練習も2カ月程度できなかった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で甲子園大会は中止となったが「あの時のことが今につながっている」と心が折れることはなかった。

 「感謝する心が大事。(野球ができている)今の状況は当たり前じゃない」

 休校に加え、部活動も停止となり、自宅に戻った4月。両親からは「結果を出さなくていい。頑張る姿を見せて欲しい」と伝えられた。周囲への感謝、様々な思いを胸にグラウンドで躍動した。

 雨天中止が相次いだ影響で、独自大会は準決勝で打ち切りとなることが決まったが「目の前の試合に全力で取り組むだけです」と言葉に力を込める。あと5試合。頂点は極められなくても、勝ち切って大会を終える。

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2020年8月2日のニュース