東海大菅生・田中 忍者だ牛若丸だ!一瞬で本塁陥れるスピード魅せた

[ 2017年8月23日 08:23 ]

第99回全国高校野球選手権第13日・準決勝   東海大菅生6―9花咲徳栄 ( 2017年8月22日    甲子園 )

<東海大菅生・花咲徳栄>1回2死二、三塁、暴投の間に先制のホームを陥れる東海大菅生・田中。捕手須永
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 ◆100回大会の主役たち

 何とか塁に出ようと、一塁に滑り込んだ。延長11回、最後の打者となった東海大菅生・田中は泥だらけのユニホーム姿で「悔しい」と声を絞り出した。

 再三の好守でチームを救ってきた。しかし、8回に犯した失策が田中の無念をより大きなものにしていた。「打球が速く、ちょっと焦ってしまった」。名手のグラブから白球がこぼれた。これをきっかけに2点を失い、一時勝ち越された。「“たられば”ですけど、僕のエラーがなければ9回にサヨナラ勝ちしてるわけですから」。9回に遊撃強襲の同点2点打。失策帳消しの一打となったが、心は晴れなかった。

 1番打者は初回、右前打で出塁。三塁に進み、ショートバウンドを捕手がわずかにそらすと「行けると判断した」と本塁を陥れた。1メートル66の小柄で俊足。素早い動きに「忍者」というニックネームがついた。前横浜監督の渡辺元智氏は準々決勝の試合を解説した際「阪神で牛若丸と言われた吉田(義男)さんを思い出した」と絶賛していた。

 「先輩たちの記録を抜けるようやっていきたい」。4試合で打率・500。バットとグラブで高校野球ファンを魅了した牛若丸は、さらに上を目指す。(落合 紳哉)

 ◆田中 幹也(たなか・みきや)2000年11月28日、神奈川県生まれの16歳。小学2年から中津リバース(軟式)で野球を始め、愛川東中では相模原シニアでプレー。東海大菅生では1年夏から遊撃のレギュラー。50メートル5秒8。家族は両親と姉。1メートル66、61キロ、右投げ右打ち。

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2017年8月23日のニュース