花咲徳栄・清水 埼玉悲願大旗へ中村封じ予告「自信持って投げる」

[ 2017年8月23日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権第13日・準決勝   花咲徳栄9―6東海大菅生 ( 2017年8月22日    甲子園 )

<東海大菅生・花咲徳栄>リリーフで登板し、強打の東海大菅生を7回2/3、2失点に抑えた花咲徳栄・清水
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 花咲徳栄の背番号1は、ギアを上げた。2点リードの9回1死一、二塁。遊ゴロ併殺と思われた打球が、遊撃を強襲する2点適時打となり、今大会初失点を喫した。なおも1死一、二塁、清水は気合を入れ直した。

 今大会2発のスラッガー、3番・小玉を迎え、清水は「三振を狙う」と148キロ直球でカウントを稼ぎ、最後はスライダーで空振り三振。「これ以上は絶対点をやらない」と、延長戦を無失点に抑え、初の決勝に導いた。

 先発・綱脇が4回途中で4失点。今大会最速150キロを誇る守護神の出番は、予想外の早さだった。それでも、ここまで3戦7発の東海大菅生の強力打線を封じ込んだ。

 3月、大商大堺(大阪)との練習試合で救援に失敗。細かい制球を気にしすぎて自滅した。岩井隆監督から「おまえの持ち味はなんだ」と問われ、「思い切り腕を振ること」と目が覚めた。冬場に取り組んだノーステップで90メートルを50回投げる遠投の成果も出た。体の使い方をつかんで制球力もアップ。この日は無四球で、公式戦自己最長の7回2/3のロングリリーフを乗り切った。

 埼玉県勢の悲願でもある深紅の優勝旗まであと1勝。決勝で激突する広陵は大会新記録の6発を放った中村を擁するが、高校日本代表で同僚となる清水は「自信を持って投げれば打たれない。三振を狙って恐れず攻める」と真っ向勝負を宣言する。先発予定の綱脇も「迷惑を掛けた分、自分の投球をする」と、必勝リレーで怪物退治を狙う。(松井 いつき)

 ▼花咲徳栄・高井(延長11回に決勝適時二塁打)チャンスをつぶしていたので絶対決めようと思っていた。明日は攻めの気持ちで優勝したい。

 ≪埼玉勢最多タイ夏10勝目≫花咲徳栄が春夏通じて初の決勝進出。埼玉県勢の夏の決勝進出は93年春日部共栄以来24年ぶり3度目となった。花咲徳栄は夏10勝目で浦和学院と並び県勢最多、優勝すれば単独1位となるがどうか。また、埼玉県勢の夏の通算勝利は66勝で鹿児島と並び都道府県別で22位タイ。夏65勝以上している県で優勝がないのは埼玉と宮城(69勝)、鹿児島の3県だけだが抜け出すことができるか。

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