忘れない 9回3年生の5連打 天理 2年太田「この姿勢を受け継いでいかないといけない」

[ 2017年8月22日 18:13 ]

第99回全国高校野球選手権大会第13日準決勝   天理9―12広陵 ( 2017年8月22日    甲子園 )

<天理・広陵>9回裏無死、遊撃内野安打を放ち、ガッツポーズの天理・橋本
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 9回最後の打席。天理・太田椋(2年)は中村良二監督から「ここは3年生でいくぞ」と伝えられバットを置いた。代わって打席に入った橋本大剛(3年)が気迫の内野安打をもぎとると、そこから3年生たちが5連打の猛攻。鳥肌が立つような攻撃に太田の心も動いていた。

 「9回、3年生たちの姿勢すごかった。この姿勢を受け継いでいかないといけないと思った」

 1メートル81の大型遊撃手として甲子園デビュー。3番打者としてここまで2安打と不調だったが、この日は1回に三遊間を破り、5回には先頭打者として三塁線を破る二塁打。不振でも使い続けてくれた監督の期待に応えた。

 父・暁さん(46)=現オリックス・スタッフ=は帝京五から近鉄にドラフト6位で指名され入団。プロとして活躍はできなかったが、中村監督とともに近鉄に在籍した仲だったことから天理に進んだ。前日も練習に顔を見せた父から「思い切りやれよ」と声をかけてもらった。「もっとがむしゃらさが必要だったかもしれません。この経験を生かし新チームはぼくが引っ張って帰ってきます」と話した。

 昨秋は県大会初戦敗退。負けるたびグランドから往復12キロ以上ある天理ダムまで罰走が待っていた。そんなチームが甲子園4強。「冬は日本一厳しい練習をしてきたと思います。さらにレベルを上げていきたい」と新リーダーの自覚を見せる。巨人・坂本がお手本という太田。心も大きくなって再び聖地を目指す。

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2017年8月22日のニュース