侍4番・筒香 世界一目指す「感謝」の思い 3年前の大事故が転機に

[ 2017年3月5日 09:20 ]

侍ジャパンの筒香
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 侍ジャパンの4番・筒香は、野球ができる喜びを胸にWBC本戦に臨む。7日のキューバ戦まであと2日。「気持ちもだんだん高まってきた。素晴らしい選手たちと一緒に戦えるのを誇りに思います」と言葉を紡いだ。

 今、生きているこの瞬間を大切に――。生命が危ぶまれるほどの大事故が野球人生に大きな影響を及ぼした。14年8月13日。中日戦(ナゴヤドーム)で初回の左翼の守備だった。左中間の打球を捕球しようとした際に中堅・梶谷と激突。後頭部を地面に強打してその場で倒れ込み、そのまま救急車で運び出された。

 「2時間意識を失って気づいたらベッドの上。あの時の記憶がまったくない」。名古屋市内の病院で診断は「脳振とう、頸椎(けいつい)振とう」。約3週間後の9月3日のファーム練習試合・楽天戦(長浦)で実戦復帰した。医師が「後遺症が残らなかったのが奇跡」と驚くほどの回復ぶりだった。

 あれから2年半。体に影響がないわけではない。連戦の時に疲労で首の張りを感じることが多くなった。それでも「生きる喜び、野球ができる喜びが大きいんです」と言葉に力を込めた。15年に打率・317、24本塁打で不動の4番へ。昨季は44本塁打、110打点で2冠を獲得して球団史上初のCS進出に貢献した。そして今年のWBC。「僕が4番だけど、中田さんや実績がある選手がたくさんいる。重圧はもちろんあるけど、このメンバーで世界一を目指せることへ感謝の気持ちが強い」と話した。

 この日は大阪府内の宿舎で静養に努めた。残る強化試合は5日のオリックス戦だけ。心身共に万全の状態に整え、WBCで大きな輝きを放つ。 (平尾 類)

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2017年3月5日のニュース