侍最年長35歳の誇り 青木 希望練習に志願参加 感銘田中が弟子入り

[ 2017年3月5日 05:10 ]

フリー打撃を行う青木
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 1時間以上、侍ジャパン・青木はほとんどバットを手放さなかった。午後から大阪府内のグラウンドで行われた希望練習。8選手の1人として志願参加したチーム最年長の35歳は、一回り以上も年齢が離れた鈴木らと汗を流した。振って、振って、振りまくる。初戦は3日後。その眼光もスイングも、一気に鋭さを増してきた。

 「最近、ちょっとスイングの量が落ちているので。もう少し振りたいな、と思っていたし、確認したいところもあった。有効活用したいと参加しました」

 キャッチボールは省き、ウオーミングアップもそこそこに室内練習場でティー打撃を開始。右手、左手、両手で計50スイングを行うと、大西外野守備走塁コーチを相手にフリー打撃で117スイングを振り抜いた。次々と快音が響く。最後は再びティー打撃。素手、手袋をはめた状態で、左手で102スイングを打ち込んだ。炎の269スイングだった。

 2月28日に米フロリダのキャンプ地から計20時間のフライトで帰国。2日にチームに合流し、前日の阪神戦では初の実戦で1安打を放った。試合後には「今日感じたことを煮詰めたい」と話し、この日はスマートフォンで打撃フォームを撮影して「いろいろ確認した」。日米通算1965安打のバットマンは、妥協という言葉とは無縁だ。

 「一番弟子」もできた。練習には「青木さんがやるって聞いたから。こんな機会はめったにない」と急きょ、田中が参加を志願。感覚的な部分などでアドバイスを求められた青木は丁寧に説明し、「見たそのまま。優しい、柔らかい方」と田中を喜ばせた。打撃好調の27歳は、本大会でスタメン起用される可能性もある。唯一のメジャーリーガー。こんな部分にも「青木効果」は如実に表れる。

 5日のオリックス戦は、本番前最後の実戦。「(WBCで練習時間など)制限がある中で、こうやってできてありがたかった。(開幕まで)残り2日しかないし、その時間を大切にしたい」。志願参加の269スイング。そこに青木の決意がにじんだ。 (鈴木 勝巳)

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