侍・則本 志願の突貫調整!急きょ5日オリ戦登板へ 台湾戦3失点の修正図る

[ 2017年3月5日 08:25 ]

ブルペンで投球練習を行った則本
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 志願の突貫調整!第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの則本昂大投手(26=楽天)が、5日のオリックスとの強化試合(京セラドーム)に緊急登板することが4日、決まった。最終調整の場と位置付けた2月28日の台湾プロ選抜戦(ヤフオクドーム)で3回6安打3失点。救援待機する7日の1次ラウンド初戦のキューバ戦(東京ドーム)には中1日となるが強行日程の中で修正を図る。

 もう時間がない。則本は菅野とのキャッチボールで徐々にギアを上げ、強めに投げ込んでいく。肩をつくり終えると、ブルペンに向かった。

 「前回、甘かったので修正と、もう一度フォームを確認したかった」。WBC初戦まで3日となったこの日、大阪府内のグラウンドで行われた希望者のみの練習に姿を見せた。前回登板で制球に苦しんだスライダーなど変化球を交えて35球を投げ、修正を図った。

 2月28日の台湾プロ選抜戦。先発で3回を6安打3失点と不安を残した。滑りやすいWBC公式球の影響で本来の制球とは程遠く、初回に4安打を集中され、3回にはバックスクリーンへの特大弾。この試合を最終調整にする予定だったが、小久保監督は「本人が望むなら」と追加登板の可能性を示唆していた。

 強化試合は残り1試合。則本自ら、権藤投手コーチに「投げます」と告げ、5日のオリックス戦登板が急きょ決まった。1次ラウンド最大のライバルとなる7日のキューバとの初戦は石川の先発が有力で、則本は中継ぎで待機する。オリックス戦に投げることで中1日の「過酷日程」となるが、「投げたい気持ちがありました。チャンスをもらえたので、最終調整でしっかり0点に抑えて本番を迎えたい」としっかり前を見据えた。

 過去には06年の第1回大会で松坂(現ソフトバンク)が、本番直前に志願登板したことがある。不安を払しょくし、中2日で先発した台湾戦は、4回1失点の好投。調子を取り戻したエースは、大会MVPの活躍で世界一に貢献した。則本も今大会は先発と救援でのフル回転が期待されており、世界一奪回には則本の復調が不可欠と言っても過言ではない。権藤コーチは「2番手で2イニングぐらい。球数を重ねれば、感覚は良くなる」と話し、小久保監督も「やっぱり多少の不安があったのでしょうから。明日はいい形で終わって(本番に臨む)ということですね」と大きくうなずいた。

 楽天でバッテリーを組む嶋の離脱が決まった。宿舎では「頑張ってこいよ」と声を掛けられ、がっちりと握手を交わした。則本は「嶋さんの分まで」と語気を強め、さらに「代表に呼ばれても(故障で)来られなかった大谷もいる」と言った。侍投手陣のキーマンとも言える背番号14が背負うものは大きい。「結果が全てなので結果だけを追い求める。チームが勝たないと意味がない」。世界一奪回へ、最後の登板で答えを出す。 (神田 佑)

 ▽松坂の06年WBC前の志願登板 第1回大会を前に、2月25日の12球団選抜戦(現ヤフオクドーム)に先発したが3回2/3を5安打4失点。本来は中6日で1次リーグ2戦目となる3月4日の台湾戦(東京ドーム)に先発予定だったが、「結果が悪すぎた」として3月1日の壮行試合・巨人戦(東京ドーム)に志願登板。先発して2回3安打無失点。そこから中2日で先発した台湾戦で4回3安打1失点と好投し、チームを勝利に導いた。

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