阪神・北條 大当たり!泥くさくV撃、五輪ばりドーピング検査まで

[ 2016年8月11日 06:30 ]

<広・神>6回2死満塁、北條は決勝の適時内野安打を放つ

セ・リーグ 阪神2―1広島

(8月10日 マツダ)
 強い首位を若虎が仕留めた。阪神は10日、北條史也内野手(22)のチーム全打点を挙げる活躍で広島に競り勝ち、連敗を3で止めた。犠飛と適時内野安打での2得点という泥臭い内容ながら、今必要なのはどんな形でも勝つこと。DeNAが敗れたため、クライマックスシリーズ進出ラインとなる3位との差を4に縮めた。

 北條にとって、いろんな意味で大当たりの夜となった。全打点を挙げたヒーローが球場を引き揚げたのは、チームバスが出発した40分後。敵地でのプロ入り初となるヒーローインタビューの後に待っていたのは抜き打ちのドーピング検査だった。

 「いやあ、しんどかったですね。(ヒーローインタビューは)甲子園と違って(場内)マイクが入っていなかったので実感はないです。今度は甲子園でヒーローになれるようにしたい」

 さすがにぐったりした姿も見せたが、試合では良くも悪くも目立ちに目立った。初回に新井の三ゴロを失策したが、0―1の2回1死一、三塁からミスを挽回する同点の左犠飛。3回の守備でもルナの打球をはじいたが(記録は内野安打)、1―1で迎えた6回2死満塁の第3打席がこの日のハイライトだった。カウント1―1から福井のフォークをしぶとく捉え、高く弾んだ打球は三塁手の頭上を越え遊撃への決勝適時内野安打となった。

 「2死だったので開き直って打席に立った。いろいろ考えすぎると硬くなってしまう。感触は良くなかったけど、何とかいいところに転がってくれて良かった」

 出場86試合目にして初のヒーローとなったように、勝負どころでの打撃が課題だった。ここまで満塁では8打席立って1四球無安打。9打席目にしての待望の一打が、北條らしいがむしゃらで泥臭い決勝打となった。

 「きょうはそれ(満塁で打ってないことを)は全く考えず、1打席目で犠飛を打てたことや、2打席目で中前に打てたといういいイメージを持って打席に入った」

 昨季までは1軍実績はほぼゼロ。この日のようにミスも出るが、毎日必死でプレーしているのは金本監督も認めるところ。「あれ(6回)は打ったというのかな。まあ、その前にいいヒットを打っているからな。何とか1本ね。チャンスでしぶとく食らい付く姿勢を見せてくれればね。また違う新しい物も見えてくると思うしね」。スタメンで使い続けているのも、期待の表れだ。

 7月29日に22歳の誕生日を迎えた。その日の中日戦(甲子園)は無安打に終わり「いつもあまり打ってないんで」と苦笑いしたが、遅ればせながら自身のバットで祝った。チーム状況はまだまだ厳しいが、明日を担う若虎が着実に成長を続けている。 (山添 晴治)

 ▼阪神・片岡打撃コーチ(北條について)得点圏での打撃が課題だったけど、昨日にしても、簡単に犠飛を上げられるようになってきた。

 ≪満塁機で初の安打≫北條(神)の勝利打点は5月24日のヤクルト戦(神宮)2回、先制の中越え2点二塁打以来、自身2度目。この日6回の遊撃への勝ち越し適時打は、プロ入り9度目の満塁機で初の安打となった。なお過去にも2度、満塁機に内野ゴロと押し出し四球での打点があるが、今回を含めて、すべて広島戦でマークしている。

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