市和歌山12年ぶり夏1勝 エース赤羽は大会タイ5併殺斬り

[ 2016年8月11日 05:30 ]

<星稜・市和歌山>5つ目の併殺を奪い、山崎(手前)と笑顔でタッチを交わす市和歌山・赤羽

第98回全国高校野球選手権第4日・1回戦 市和歌山8―2星稜

(8月10日 甲子園)
 市和歌山が12年ぶりの夏1勝を挙げた。「市和歌山商」から校名変更した09年以後では初勝利。春夏連続出場へ導いたプロ注目のエース赤羽が2失点完投で部史に新たな1ページを記した。

 「甲子園で完投できて良かったです。アドレナリンが出ていい投球ができたんだ思います。市高の新しい一歩目です」

 初回に連打で1点を失った後、2年生4番の寺西を投ゴロ併殺に仕留めた。2回1死満塁では投ゴロで、3回1死一塁から二ゴロで併殺。11安打を浴びながら大会タイ記録の5併殺で流れを渡さなかった。三振併殺を含めて4つを直球で奪った。「直球がめっちゃ走っていました」。自己最速を1キロ更新した144キロの直球で押しに押しまくった。

 今春選抜の1回戦では0―0で迎えた9回に「逃げた」という変化球を南陽工打線に痛打されて8回2/36失点。悔恨を経てたどり着いた答えが「まっすぐで押せる投手になる」だった。再出発を決意した悔しい映像を何度も見直し、直球に磨きをかけてきた。

 過去4年連続初戦敗退だった和歌山県勢としても5年ぶり勝利で、半田真一監督にも「要所でよく粘った。素晴らしかった」とたたえられた。「自分のせいで負けた」という春からたくましさを増し、104球の力投で勝利をつかみ取った。 (吉仲 博幸)

 ▽1試合チーム最多併殺5の大会タイ 市和歌山が1回戦の星稜戦で記録。第86回大会の明徳義塾以来で5度目。

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2016年8月11日のニュース