阪神・能見 粘投!7勝 初回に7年ぶりボークで失点も動じず

[ 2016年8月11日 05:30 ]

<広・神>7回途中1失点で7勝目の能見

セ・リーグ 阪神2―1広島

(8月10日 マツダ)
 投球術が凝縮されたマウンドだった。阪神・能見は序盤3回に毎回得点圏に走者を背負いながらも決定打を許さず、6回2/3、1失点に抑えた。緩急を駆使した巧みな投球は健在。7勝目をつかんだ。

 「広島は良い打線なので球数をかけながら粘った。後半は良かった。4回以降は感じ良く投げることができた」

 初回26球、2回15球、3回21球。序盤の3イニングだけで62球を費やした。丁寧な投球で立て直し、再三の危機を切り抜けた。唯一の失点は初回だ。1死から菊池、丸の連打で一、三塁とされ、ルナに対するカウント1―2から5球目へ向かう前、坂本とのサインが合わずに仕切り直そうとしてボークを取られた。

 09年5月9日横浜戦以来7年ぶり2度目。まさかのミスで先制点を献上しても、動揺はなかった。北條の失策で広がった2死一、三塁で鈴木を三ゴロに仕留め、最少失点で切り抜けた。

 4回以降は2回2/3をわずか1安打に封じる圧巻の快投だった。坂本とは7月19日の巨人戦以来2度目のバッテリー。自ら女房役に指名して2回2/36失点だった前回とは一転し、時間を追うごとに呼吸を合わせた。

 7回2死で2安打されていた菊池を迎えて降板。救援陣の助けも借りたとはいえ、マツダスタジアムでは通算21試合で14勝6敗、防御率1・87とした好相性を存分に発揮した。

 体を張った投球が続く中で、ケアを欠かさない。今季から疲労回復を狙い半身浴を取り入れた。遠征先では基本的に外出を控え、自室にこもる。「半身浴しながら読書したり、野球を見たり、疲労回復に努めたりしているね」。最速146キロを計測するなど春先から球速アップを求めて取り組んできたウエートトレの成果もあり、「(球速が)出てきたかなあ」と手応えをにじませた。進化を続けるプロ12年目の背中が頼もしい。 (湯澤 涼)

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