“ビッグ3”花咲徳栄・高橋昂 今夏初失点も11K完投

[ 2016年8月11日 05:30 ]

<大曲工・花咲徳栄>10奪三振で1失点完投の花咲徳栄・高橋昴

第98回全国高校野球選手権第4日・1回戦 花咲徳栄6―1大曲工

(8月10日 甲子園)
 1回戦4試合が行われた。第4試合は、花咲徳栄(埼玉)が大曲工(秋田)を6―1で下し、8強入りした昨夏に続く初戦突破。横浜・藤平、履正社・寺島とともに「ビッグ3」として注目を集めている152キロ左腕・高橋昂也投手(3年)は、10安打を浴びながらも11三振を奪い1失点完投した。第1試合は、広島新庄が関東第一(東東京)を延長12回の末に2―1で下して2回戦へ進出した。

 甲子園初勝利を飾り、初めて上がったお立ち台。「久しぶりの公式戦で制球にばらつきがあったけど修正できた。苦しい場面もあったけど勝てたことが良かった」。高橋昂はいつも通りのクールな口調で振り返った。

 埼玉大会決勝以来、14日ぶりの実戦登板。初回2死一、三塁とピンチを背負うも、146キロ直球で一邪飛に斬った。4回先頭の佐渡に甘くなった直球を左翼席へ運ばれた。埼玉大会は37イニング無失点で今夏41イニング目に初失点を喫するも「気にせず最少失点で抑えようと思った」と心はぶれなかった。

 3、4回以外は毎回得点圏に走者を背負ったが、直球狙いの相手にツーシームなど変化球を使い「狙うところは狙って」11三振を奪った。被安打10も1失点で148球を投げ抜いた。複数球団のスピードガンで148キロを計測し、オリックスの中川隆治アマスカウトグループ長は「真っすぐで打たれだしたら変化球を織り交ぜるテクニックがある」と称賛した。

 今春センバツは6回6失点で1回戦敗退。この悔しさが寡黙な左腕の心に火を付けた。岡崎主将には昨夏の甲子園準々決勝で対戦した東海大相模の小笠原(現中日)の名前を挙げ「僕も小笠原さんのような勝てる投手になりたい」と打ち明けたこともある。

 「ビッグ3」と呼ばれて脚光を浴びる横浜・藤平、履正社・寺島とともに初戦を突破。「同い年で凄い選手が身近にいることを感じて刺激になってる」という。樟南との2回戦に向けて「勝てる投球をしたい」ときっぱり。頂点まで勝利だけを追い求めていく。 (青木 貴紀)

 ▼中日・中田宗男スカウト部長 圧倒的なパワー型の投手。上位に入る素材だと思う。

 ▼ブレーブス・大屋博行スカウト ストライクがしっかり取れる。今日は躍動感はあまりなかったけど、どっしりとした印象。(昔の)井川などもそうだった。

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