岡田おまたせ9度目先発でプロ初白星「アッという間でした」

[ 2016年6月26日 05:30 ]

<広・神>プロ初勝利を挙げた岡田は、緒方監督(左)の祝福にウイニングボールを手に笑顔

セ・リーグ 広島4-2阪神

(6月25日 マツダ)
 勢いが止まらない。広島・岡田明丈投手(22)が25日、阪神戦(マツダ)で待望のプロ初勝利を挙げた。最速149キロの直球と110キロ台のカーブで緩急をつけ、7回途中まで8安打2失点の好投。打線も下水流の3安打2打点を挙げる活躍などで、ドラフト1位ルーキーを援護した。チームは01年以来15年ぶりの8連勝。96年以来20年ぶりの貯金13とし、2位・DeNAと8差に広げた。

 9度目の先発で踏み出したプロでの第一歩。普段はポーカーフェースのルーキーも、待ち焦がれた分、勝利の輪に入った途端に満面に笑みが広がった。本拠地で初経験する殊勲の壇上では「ホームで初勝利を挙げることができ、本当に嬉しいです」と声を弾ませた。

 わずか9球で課題とする初回を立ち上がり、5回まで快テンポで「0」を並べた。最初の見せ場は6回だ。福留に日米通算2000安打目となる二塁内野安打を許した2死一、三塁のピンチ。続く原口を148キロ直球で左飛に仕留めると、グラブ越しに自ら拍手して達成感をにじませた。

 セレモニーで、福留に拍手を送った際の発言がまた岡田らしい。「おめでたいことなので、させてもらいました」。無邪気で初々しい。相手打者を威圧する剛速球はもちろん、痛打を引きずらない図太いハートにも、大物の予感を漂わせる。

 「勝ちにこだわっていなかった…と言えば、ウソになる。でも、チームに貢献する投球を心掛けようと、1試合1試合に集中していたので、アッという間でした」

 開幕直後に経験した2軍で佐々岡投手コーチにカーブを伝授され、1軍では黒田から登板間の過ごし方や準備の仕方を助言された。いきおい、5月以降は全7試合を2失点以内に抑え、6月4試合の防御率は1・73。2ランを被弾した7回無死一塁で途中降板したが、安定感は色あせない。

 「岡田はしっかり投げてくれた。安定した投球を続けていたので、何とか勝ちを付けてあげたかった。そりゃ、ホッとするよ」。緒方監督は8連勝に導いた右腕の初勝利を手放しで喜ぶ。貯金は20年ぶりの13。2位以下がモタつく間にゲームも最大8にまで広がった。

 大阪にある岡田の実家では家族が応援。「ウイニングボールは実家に飾ります」。大商大時代から息子の新聞記事を全部スクラップしているという母・道子さんに届けた1勝。「今日の結果はあまりよくなかったので、次はもっといい投球をしたい」。大物感漂う剛腕ルーキーはセ界独走への貢献を誓っている。(江尾 卓也)

続きを表示

2016年6月26日のニュース