巨人ドラ2重信 衝撃タッチアップ!右飛で二塁へ 打率は6割超え

[ 2016年2月19日 05:30 ]

<巨人・韓国LG>5回1死、吉川の右犠飛で一走・重信は二塁へ

練習試合 巨人4―2韓国・LG

(2月18日 沖縄セルラー)
 打ってよし、走ってよし。巨人のドラフト2位・重信慎之介外野手(22=早大)が18日、韓国・LGとの練習試合(沖縄セルラー)で「2番・左翼」で出場し、4打数3安打1打点と大活躍を見せた。高橋由伸新監督(40)の初めての対外試合で白星スタートに貢献。実戦3試合で全てマルチ安打をマークし、12打数8安打、打率・667。二盗に加え、右飛からのタッチアップで二塁に進塁する快足ぶりで、開幕スタメンに向けて猛アピールした。

 驚異的な疾走感。スタンドで応援する沖縄の人々が称賛の指笛を吹く。5回1死一塁。一塁走者の重信は、吉川が放った右翼ポール際、フェンス3メートル手前の飛球で果敢にタッチアップした。50メートル5秒7を誇る快足ルーキーは難なく二塁を陥れ、一塁ベンチの高橋監督も白い歯をこぼす。重信は胸を張って言った。

 「あれはいい判断だった。思い切っていけた。打球も伸びたし、捕球体勢もベストではなかったので、いけると判断していきました」。12球団最年少、40歳の高橋監督にとって初の対外試合。その初陣で白星に導いたのも、同じ初の対外試合となった新人だった。

 初回、中前打で出塁し、2死一塁から二盗に成功。前日の20メートル走でチームトップの2秒42をマークした脚力をいきなり披露した。そして5回の好走塁は3打席目の右前打の直後だった。特別ルールのため3―2で迎えた9回。本来ならなかった攻撃では、1死三塁から右前適時打で“トドメの一撃”を放った。実戦3試合で全てマルチ安打を記録。12打数8安打、打率・667は驚異的だ。

 「結果が残っていることは凄く良いことだと思うけど、凡退している打席もある。ベストは10割。満足することなく、残りの4本を打てるようにしていきたい」。どこまでも貪欲だ。宣言通り、サインを出すことなく練習していることを試させた高橋監督も打って走る重信の姿に「積極的なところも出ていたし、いいアピールをしてくれている」と表情を崩した。

 堂々たる活躍。しかし、キャンプ初日はさすがに緊張が隠せなかった。「朝4時に目が覚めて、そこから寝られませんでした。なので初日はもの凄く眠かった」。それが2週間余りで「緊張は全くなかった。平常心でできているのが一番の要因」と完全にペースをつかんだ。勝負強さも兼ね備える22歳。そのルーツは歴史上の人物とつながっている。「祖父母の実家が鹿児島で、聞いた話ではもともと、重信家は西郷隆盛の家の敷地内に家があったという話を聞きました」。明治維新の指導者だった偉人に仕えた先祖のように、青年監督を全力で支えるつもりだ。

 3回にけん制死。9回にも二塁をオーバーランした走塁死もあった。「反省点の方が印象に残っている。満足していないし、危機感の中でやっている」。気を引き締めた重信に対し、高橋監督は「どんどん成功も失敗も経験することが大事」と積極的なプレーを後押しする。試合終了から2時間半後の午後6時。最後まで残って、練習を続けた重信が球場から引き揚げた。(春川 英樹)

 ≪他球団007反応≫

 ▼阪神・太田貴スコアラー 全部、見せてもらった。スライディングもタッチアップも本当に凄かった。

 ▼中日・加藤光教スコアラー 外野のレギュラーになるかもしれない。(一塁からタッチアップした)ああいうプレーを見せられるといろいろ考えなければならない。

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