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77歳で侍コーチ就任 権藤氏の手腕に期待「技術を教える必要はない」

侍ジャパンの権藤投手コーチ

 15日に来月5、6日の台湾戦に臨む侍ジャパンのメンバー発表があった。残念ながら、今年から担当している阪神からは選出なし。ただ、個人的に楽しみにしているのは、小久保監督の強い希望で77歳にして日の丸のユニホームを着ることになった権藤投手コーチの手腕だ。

 中日担当時代の12年に高木監督の投手コーチだった権藤さんに大変お世話になった。遠征先で何度も食事をごちそうになり、野球の勉強をさせてもらった。98年に横浜を38年ぶりのリーグ優勝に導いた名将の持論は「プロ野球選手は選ばれた人間。技術を教える必要はない。指導者は戦う方法を教えればいい」。この考え方は、選りすぐりのメンバーが集う侍ジャパンでこそ一層フィットするのではないだろうか。

 著書の代表作のタイトルからして「教えない教え」。98年当時、打線の軸だったロバート・ローズの「このチームは誰が監督をしても優勝できる。ただし、監督が何もしなかったらね」という言葉を「オレは最高の褒め言葉だと思っている」と懐かしそうに目を細めていた。ミーティングでも「みなさんはプロですからプロらしくやってください。以上」で終わらせていたそうだ。

 技術的な指導はほとんどしないが、選手の戦う気持ちをコントールする手腕は抜群だと思う。ぶれない姿勢と巧みな言葉でプレッシャーを取り除き、選手を鼓舞する。例えば、球威は十分ながら制球難の投手が、制球を気にしすぎて四球を連発した時は、ゆっくりとマウンドに足を運んでこう言う。

 「いいからど真ん中に思い切り投げろ!お前のボールは打たれはせん。もし、打たれたらオレが責任取ってやる。賞金を出してやるよ」

 救援に上がった投手がピンチの連続でアップ、アップ。今にも泡を吹きそうだが、次の投手の準備ができていない。そんな場面ならこうだ。

 「苦しいのは分かっているが、何とかあと1人頼む。安心しろ、打たれたら代えてやるって」

 投手をマウンドでさらし者にすることを何より嫌い、選手の悪口は絶対に言わない。根底にあるのは「権藤、権藤、雨、権藤…」との流行語が生まれるほどの華々しいデビューを飾りながら、ケガで短命に終わった自身の現役時代の苦い思いがあるからだ。

 侍ジャパンの精鋭に、今さら技術を教えることはない。それよりも選手のモチベーションを高め、勝負の潮目を見抜けるコーチの方が適任だ。その点において権藤さん以上の人材は今の球界にそうはいないと思う。

 来年行われる第4回WBCを前提とした今回の投手コーチ就任。ほぼ間違いなく、全出場国のユニホーム組で最年長の野球人の晴れ姿を見る日が、今から待ち遠しい。(記者コラム・山添 晴治)

[ 2016年2月19日 08:00 ]

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