“世界一候補”ドミニカ共和国が負けた

[ 2009年3月9日 06:00 ]

 【WBC・ドミニカ共和国2―3オランダ】大波乱の幕開けだ。WBCの1次ラウンドC、D組が7日(日本時間8日)開幕。D組で優勝候補の一角、ドミニカ共和国が初戦でオランダに2―3で敗れた。初回に守備の乱れで3点を失い、開幕直前で出場辞退したA・ロドリゲス不在の打線は最後までつながりを欠いた。現役メジャーリーガーが1人もいないオランダは内野安打3本ながら堅い守りで大金星を挙げた。

 カリブの強豪が、いきなり崖っ縁に追い込まれた。優勝候補の一角とみられるドミニカ共和国が、明らかな格下オランダにまさかの黒星。アルー監督は「本来9―0で勝たなければいけない相手だ」と吐き捨てた。
 初回の3点が重くのしかかった。内野安打と失策、四球で2死満塁。動揺した昨季レッズで17勝を挙げた25歳の新星ボルケスが暴投で先制点を献上する。さらに遊撃への内野安打をH・ラミレスが一塁へ悪送球し、大きな2点を失った。スタメンは強打者ぞろいながらゴールドグラブ受賞者はゼロ。守りの不安が最悪の形で出た。
 8安打を放ちながら打線もつながらない。1点差の5回1死満塁では前の打席で本塁打のテハダが三ゴロ併殺に倒れるなど得点圏で10打数1安打、11残塁と拙攻の山を築いた。9回は先頭で出塁した昨季メジャー最多68盗塁のタベラスが、1死二塁からまさかの三盗失敗で好機をつぶした。
 昨年12月にロドリゲスが同国代表での出場を表明し、4強入りした前回大会を超える最強チームと呼び声が高かった。だが1次メンバーから、故障の際の保険問題がクリアできなかったプホルスやゲレロらが抜け、開幕直前の5日にはロドリゲスまでもが股関節の故障で辞退。当初の構想から大きく戦力ダウンした。
 ロドリゲス離脱後は大リーグ球団との練習試合を含め、わずか計4得点しか奪えず3連敗した。「アレックス(ロドリゲス)が抜けてから本来のドミニカ共和国打線のような長打が出ない。決して彼がいないからとは言いたくないが」。アルー監督は意地を張ったが、ナインへの精神的な影響も含め穴はやはり大きい。次戦のパナマ戦から2連勝するしかない。何が起こるか分からないWBC。大会屈指のスター軍団が1次ラウンド敗退の危機を迎えた。

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2009年3月9日のニュース