1位通過だ!原監督“韓国返り討ち宣言”

[ 2009年3月9日 06:00 ]

<侍ジャパン練習>厳しい表情でイチロー(左)と言葉を交わす原辰徳監督

 第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2次ラウンド進出一番乗りを決めた日本代表・原辰徳監督(50)が9日の韓国戦も「必勝」を宣言した。左腕二枚看板の1人、柳賢振(リュ・ヒョンジン)は先発しないが、それでもオーダーは不動。投手起用など手の内は隠さず、正面から宿敵を撃破する。韓国に連勝すれば今後の戦いでアドバンテージとなることは確実。3連勝で東京ラウンド1位突破、その先には全勝での連覇が見えてくる。

 言葉の端々に強い決意がにじむ。歓喜の2次ラウンド進出決定から一夜。表情こそ穏やかだったが、原監督の勝利にこだわる姿勢は変わらなかった。韓国相手の決戦第2R。ここで勝ってこそ、胸を張って米国に乗り込める。「もちろんあしたも勝ちにいく。全力で戦って、1位通過でアメリカに飛んで行きます」
 先発は当初予想されていた柳賢振ではなく奉重根。指揮官も午後2時からの練習時には「あしたは柳でしょ?」と話し、選手も金広鉉と並ぶ二枚看板の攻略に燃えていた。“肩透かし”には遭ったが、闘志が衰えることはない。堂々と韓国を倒し、3戦全勝で次なる舞台へ。戦いに臨む3つの姿勢、まず「オーダー不動」だ。1番・イチローから左右ジグザグに組み、14安打14点と爆発した7日の打線そのままで臨む。篠塚打撃コーチも「気を緩めることはしない。どこかで緩めたら、足をすくわれてしまう」と強調した。
 残るは「手の内は隠さず」「継投策」の2つだ。米国での再戦を見越せば、戦術面など含めてベールに包んだ戦いは可能。しかし、原監督は「手の内を隠すとか(選手の)テストをするとか、そういうことはしても仕方がないから」。投手陣も先発・岩隈から内海、田中ら中継ぎ陣を惜しみなく注ぎ込む。「勝つためにしっかり継投しますよ」と山田投手コーチ。逆に次なる韓国との戦いを見据え、宿敵を徹底的に叩いておくことに大きな意味がある。
 昨夏の北京五輪で2敗を喫するなど、韓国への苦手意識は完全に払しょくされてはいない。「もう一度叩くと、相当“やられた感”が出る」と青木。主砲・村田も「2つ勝てば相手へのダメージは大きい」と力説した。前回WBCでも韓国に連敗。最終的に準決勝は制して優勝を手にしたが、1次リーグからの通算成績は5勝3敗だった。韓国に連勝、3連勝で東京ラウンド1位突破なら、そのまま全勝での連覇が見えてくる。
 海の向こうではドミニカ共和国がオランダにまさかの敗戦。6日には台湾が中国に敗れた。「たとえ力の差が8対2でも、2が勝つ時もある。アメリカも接戦だったみたいだし」と原監督。油断ならない戦国乱世のWBC。侍戦士にも気の抜けない戦いが待ち受ける。この日は疲労を考慮しての指名練習だったが、イチロー、城島ら全員が参加した。9日の順位決定戦も白星で締めて、堂々と米国に乗り込む。

 ▼第2回WBCの賞金 総額1400万ドル(約13億7200万円)で、780万ドルだった前回の倍近い額となっている。優勝賞金は270万ドル(約2億6500万円)で、準優勝170万ドル。それ以外に1次ラウンドの各組1位に30万ドル、2次ラウンド1位に40万ドルのボーナスが与えられ“完全優勝”なら計340万ドル(約3億3300万円)の賞金を手にできる。

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2009年3月9日のニュース