細山田打った!刺した!見えた新人開幕マスク

[ 2009年3月9日 06:00 ]

<横・楽>試合を制し、タッチを交わす横浜・細山田武史(左)と松本啓二朗(右)

 【横浜4―4楽天】横浜のドラフト4位ルーキー・細山田武史捕手(22)が楽天とのオープン戦に初めてフル出場して大活躍。打席では猛打賞&2打点、守備では盗塁を2度刺すなど強肩をアピールした。捕手出身の大矢監督を満足させる内容で、球団史上初の快挙となるルーキー開幕マスクにも大きく前進。早大で“斎藤の女房”から“ハマの正妻”へ。あどけない表情の22歳ルーキーが快挙へ突き進む。

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 試合後、報道陣に囲まれた細山田は「3安打?必死に食らいついていこうと思ったので結果が出て良かったです」。初々しい笑みを浮かべると、ルーキーらしく足早にバスへと乗り込んだ。
 4回に左前打。1点を追う6回2死一塁で左翼フェンス直撃の同点二塁打。再び1点を追う8回2死二塁ではカウント2―1から、川岸の直球を中前へ同点打だ。打席に入る前に対戦投手の変化球の情報などをチェックして狙い球を絞り込む。事前の準備が奏功して、際どい変化球を見極め、いずれも初対戦の本格派の一場、左腕の佐竹、右横手投げの川岸とタイプの違う3投手を攻略してみせた。
 強豪・早大2年春から正捕手を任された細山田の“売り”はリードに加えて3年春に首位打者に輝いた粘り強い打撃だ。今キャンプでも休日に中日の練習を視察に出掛けるなど、研究熱心さが結果につながっている。阪神からFA移籍のベテラン野口、成長株の斉藤俊との正捕手争い。「守りは全然駄目。いろいろ考えながらやってます」と本人が振り返ったようにリード面で課題が残るものの、球団が求める“相川の穴埋め”は打てる捕手。しぶとい打撃は大きな武器だ。
 守備でも素早いスローイングと正確な送球で昨季34盗塁の渡辺直、俊足の内村を刺すなどアピール。大矢監督も「盗塁を刺したときのモーションが速い。細山田はきょうの収穫」とした上で「リードはしつこくて広島の達川(光男氏)みたいな感じだね」と名捕手を引き合いに出して、大きな期待を寄せている。
 開幕まで1カ月。「(斎藤)佑ちゃんの女房役と呼ばれていたのでハマの女房役になりたいです」。入団会見で口にした抱負がいきなり実現する可能性は十分にある。

 ◆細山田 武史(ほそやまだ・たけし)1986年(昭61)4月29日、鹿児島生まれの22歳。鹿児島城西1年夏から正捕手。3年夏は鹿児島大会8強止まりで甲子園出場なし。早大2年秋から正捕手となり、首位打者に輝いた3年春から4季連続ベストナイン獲得。昨年ドラフト4位で横浜入り。契約金5500万円、年俸1000万円。1メートル79、75キロ。右投げ右打ち。

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2009年3月9日のニュース