【陸上】日本国籍取得フロレス 女子400予選を楽々突破! 決勝Vなら個人でも世陸切符へ前進だ

[ 2025年7月5日 05:00 ]

陸上・日本選手権兼世界選手権代表選考会第1日 ( 2025年7月4日    東京・国立競技場 )

さあ世陸切符&日本記録!!予選に挑むフロレス(撮影・藤山 由理)
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 女子400メートル予選では、6月に日本国籍を取得したフロレス・アリエ(21=日体大)が1組2位の53秒48で楽々と5日の決勝に進んだ。日本記録を上回る51秒71をマークするなど今季現れた新星で、世界選手権の開催国枠エントリー設定記録を突破済み。選出が有力な混合1600メートルリレー代表に加え、個人での大舞台出場を目指す戦いが始まった。

 最終コーナーから一気に伸びた。5番手だったフロレスはラスト100メートルでぐんぐんと順位を上げて2着でフィニッシュ。楽々と決勝に進んだ。日本選手権デビューの緊張感から解放され「早く終わって早く帰りたいと思っていました」と苦笑い。「決勝につながる走りはできた。ラストは自信があるので冷静に対応できた」と手応えを口にした。

 父がペルーと日本、母がペルーとイタリアにルーツを持つロングスプリンター。衝撃は5月3日の静岡国際だった。08年に丹野麻美が出した日本記録を0秒04上回る51秒71を叩き出した。自己ベストを1秒32も更新する本人もビックリの好記録だった。当時はペルー国籍で日本国籍を取得中のため日本記録は認定されなかった。晴れて、6月に日本国籍となり「半分うれしくて、半分プレッシャーも感じた。ああ出なきゃ…という感じ」と笑わせた。

 今季ブレークした礎は徹底的な筋力アップだった。以前は腕立て伏せ1、2回ほどで音を上げるほど上半身が弱かった。ひと冬越えて20キロも上がらなかったベンチプレスは倍以上の40キロを持ち上げられるようになった。「腕が大きく振れるようになり、足のストライドも広がった」。体のバランスが安定し、才能が開花した。

 今大会に向けての準備は60~70%しかできず「しんどい状況」という。6月の日本学生対校選手権での練習中に他校の選手とぶつかるアクシデントで右人さし指の骨にヒビが入って1週間ほど練習ができなかった。それでもレースになれば不安は消えた。「(国立は)物凄く声が聞こえた。もう少し集中しようと思います」とジョーク交じりで振り返った。

 世界選手権の混合1600メートルリレー代表入りが有力視され、今大会を優勝すれば個人での出場も見えてくる。「初めての日本選手権、楽しく終われたら」。決勝で正真正銘の日本記録なるか。運命のレースに臨む。

 ▽女子400メートル決勝進出選手 (1)寺本葵(天理大)53秒30(2)フロレス(日体大)53秒48(3)久保山(今村病院)53秒75(4)中尾(園田学園大)53秒80(5)岩田(スズキ)53秒94(6)松本(東邦銀行)54秒14(7)熊谷(青森県庁)54秒20(8)児島(立命大)54秒45

 ▽日本スポーツ界の主な国籍変更選手 サッカー男子ではラモス瑠偉、三都主アレサンドロ、田中マルクス闘莉王が有名。バスケットボールでは男子の張本天傑、女子の馬瓜エブリン、ステファニー姉妹が該当。卓球界では張本智和、美和兄妹がいる。ラグビー男子代表ではリーチ・マイケルら多数。フィギュアスケートでは北京五輪団体銀メダルのアイスダンス・小松原尊。陸上では女子ハンマー投げのマッカーサー・ジョイが23年日本選手権を制した。

 ◆フロレス・アリエ ☆生まれとサイズ 2004年(平16)6月2日生まれ、浜松市出身の21歳。身長は大学入学後に4センチ伸び、1メートル63。家族は両親、姉、双子の兄の5人と愛犬クリスピーくん。

 ☆競技歴 個人でできることが理由で舞阪中で陸上を始め、東海大静岡翔洋高2年から400メートルが本職。23年から日体大。

 ☆快進撃 400メートルでは高2の全国高校総体で6位入賞。日体大では24年日本学生対校選手権で200メートルと2冠。6月に400メートルで2連覇達成。

 ☆走りたくない病? メンタルの弱さを自認し、試合前は「走りたくない、帰りたい」と連呼。毎試合コーチに「一周したら帰れる」などと諭されレースに臨む。

 ☆サングラス クラウチングスタート時に横を見てしまうほど「集中力が全くない」。無駄な情報を入れないためにレース時のサングラス着用をコーチに勧められ、取り入れた。

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